昨日で破棄になるはずだったGSOMIAを韓国が撤回しました。
その事によって、日本のマスメディアと韓国がアクロバティックな話法を展開することが予測されるというか、すでにそういうことが始まっていると思われるので、おさらいがてらGSOMIAの事を書いておきます。
GSOMIAは日韓というより、米韓の話
GSOMIAの話は、日韓の問題だと思っている方が多いと思います。
それもそのはず、GSOMIAとは日本語で「軍事情報に関する包括的保全協定」とよばれる物で、「同盟など親しい関係にある2国あるいは複数国間で秘密軍事情報を提供し合う際、第三国への漏洩を防ぐために結ぶ協定。」です。
そして今回問題になっているGSOMIAは、「日韓の軍事情報に関する包括的保全協定」の話で、その協定を韓国が破棄すると言ったのだから、日韓の問題だと思ってしまって当然なのですが……この協定を結んでほしいと日韓にお願いしたのは米国なんですね。
では、なぜ米国が日韓にそんなお願いをしたのかと言えば、米国は日本とも韓国とも個別に同盟を組んでいるので、双方の国の軍事機密を持っていますが、その情報の扱いが大変だったのです。
なぜなら、日韓には同盟がありませんから。
このような状況下においては、日本の機密情報を韓国には言えなかったり、逆に韓国の機密情報を日本には言えなかったりするので、米国は情報の扱いに対してかなり慎重にならなくてはなりません。
ですから、日米韓で情報のやり取りをスムーズにするために、アメリカがお膳立てしてGSOMIAを2016年11月23日に結んだのです。
時はオバマ政権と朴政権の終わりの時なので、結構最近始まった協定です。
ただ、この協定アメリカと韓国にはメリットがあっても、実は日本においてはあってもなくても困らない協定です。
なぜなら、日本は韓国の軍事機密で必要な情報が特にないからです。一方韓国はこの協定によって日本が分析した情報が手に入るようになりましたから、韓国は必要でしょうし、先に申し上げた通り、アメリカはこの協定においてスムーズな情報共有が可能になるため、続けてほしい内容です。
ですから、今回韓国がGSMIA破棄すると言ってから、揉めていたのは日本と韓国ではなく、アメリカと韓国だったのです。
そして、今回韓国が延期したのは、日本が譲歩したとかそういうことではなく、単に米国の圧力(脅し)をかわすためでしょう。
メディアは日本と韓国の問題としての側面ばかりを大きく報道しているように見受けられますが、それがそもそもミスリードであるということは知っておいた方が良いと思います。
韓国のリスカブス攻撃が功を奏していた理由
韓国の交渉方法というのは、基本リスカブスなのですが、リスカブスの意味を知らないと言う人の為に簡単に説明しますね。
リスカブスとは、「リスカットするブス」の略、つまり「手首切るブス」の略と言う言い方もできます。
では「リスカットするブス」&「手首切るブス」とはどのような人の事をさすのかというと、
「手首切るよ」と騒いで、人の気を惹き付けたり、それを交渉材料の一つにする
という風に言えるかなと思います。
本当は自分が悪いのに、謝れば済む話なのに、それをしないで、だったら「自殺するから」と言っちゃうような面倒臭い人って時折いますよね。
それが韓国全体の気質なんですね。
その気質についてはなんとなくみんな気がついていたのですが、言語化できていなかったこの感覚を作家の岩井志麻子さんが発したことで、これね↓
「(韓国人の気質というのは)とにかく『手首切るブス』みたいなもんなんですよ。手首を切るブスという風に考えておけば、だいたい片付くんですよ」
一気に広がるようになりました。
で、今回のGSOMIAの件については、まさにリスカブスの象徴と言える内容だったのです。
日韓の交渉において全くお門違いなGSOMIAを持ち出し、突然「破棄する」と騒ぐ=「手首切るぞ」と騒ぐのと同じリスカブス行為が今年の8月に起きました。
今までであれば、日本がそういった韓国の行為に折れるのが当り前だったので、彼らは声高々に叫んでいたのですが、日本が韓国の行為を止めたりせず「ご勝手にどうぞどうぞ」と言うものだから、韓国は振り上げた拳を降ろす場所を失ってしまいました。
また、このように日本が「どうぞどうぞ」という状態であっても、今までは米国が日本に「折れろ」というのが普通で、日本はアメリカの意見に従ってしぶしぶ韓国の我が儘を聞くことが続いていました。
しかしながら、日本は体制を崩さず、またアメリカも日韓をなだめることはしませんでした。
アメリカが韓国にしたのは、「破棄した後韓国がどうなるか」の事実の提供ですね。
その事実を天秤にかけた結果、韓国は自ら「手首切るのやめます」と言いだしただけのことです。
既に日本のメディアは、「韓国も譲歩したのだから日本も譲歩しろ」とか言いだしてますが、そもそも韓国が騒ぎはじめた「GSOMIA破棄」というネタが、日韓交渉において全く異次元のお門違いな話であったことは理解しておきましょう。
さらに、今回延長になったGSOMIAですが、日本においてはあっても良いが別になくても困らない協定であることも理解しておきましょう。
そもそもGSOMIAは日韓交渉のカードではないのです。しかしながら、カードに昇格させようと韓国も日本のメディアも頑張ってますから、その情報につられないように気をつけましょう。
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