3-10-1.学校教育の中で育まれる革命理論①

※こちらは、以前私がアダルトチルドレン(現在の自分の生きづらさが親との関係に起因すると認めた人)の問題に向き合っていた時に書いた内容を掲出しています。できれば最初からお読み頂ければと思います。→0.はじめに

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アダルトチルドレンは国民病?!

第三章 戦後教育・戦後社会とデュープス

 

3-10-1.学校教育の中で育まれる革命理論①

教員のほとんどの方は、子供たちが立派な大人になっていくための一助となるために努力されておられるでしょう。ですから、学校教育によって子供たちが問題を解決できない大人になっていくことには目を背けたくなるだろうと思います。

ただ、本当に子供たちのことを思ってくださる教員の方であれば、団塊の世代から連なってきている現実からどうか目を背けずに、自身の経験と照らし合わせながら今後のことを考えてほしいと願っています。

 

子供たちが知らず知らずのうちに革命思想を身につけていく教育のポイントとして大きく三つの要因が上げられると思っています。

その三つとは

①生きる軸を未来に置く指導が多いこと

②知識過多の教育によって、考える機会を損失していること

③二元論で考える癖が強くなっていること

ことです。

一つずつ検証していきます。

 

■①生きる軸を未来に置く指導が多いこと

現在に満足している限り、不満という感情は作られません。また、小さなことでも常に感謝できる心持ちを維持することで、日常は充足した思いを育むことができます。

一方で、未来に幸せがあるという思い込みが発生すると、途端に日常は不安や不満に満ちるようになっていきます。

多くの現代人は「夢を持ちなさい!」、「目標を達成しなさい!」とがむしゃらに指導されたからこそ、無理強いしてでも夢を持つようにしてきました。

目標を達成したら、達成感を得ることはできますが、その高揚感が長続きすることはもちろんありません。一方で、夢や目標が達成できなければ、劣等感や自己否定する思いが湧き上がり、こちらで得た感覚はなかなか払拭できないほど長期に渡って、その人の心にこびり付くことになります。

さらに、無理強いしてでも夢を抱かなくてはならないと強制された世代に生きている人たちは、「上昇志向こそが幸せの鍵である」という教えも同時に受けているはずなので、蹴落とされることの恐怖も一緒に感じていると思います。努力したいから努力するのではなく、努力しないことに対する無自覚な恐怖が行動を駆り立てているケースも多いのではないのでしょうか。

つまり、生きる軸を未来に置くことを繰り返す習慣を持ち合わせることによって「ただ普通に今を過ごす」ということがしにくい心の体質が知らず知らずのうちに育成されているとも言えるのです。

繰り返すようですが、日常に満足できる心持ちさえあれば、私たちは不満という感情と無縁でいられます。

不満がなければ発展がないという思いが現代は強くなっていますが、それは大きな間違いだと思います。不満を強く感じていなくても、現状を改善したいという思いは普通に現われるもので、その改善の気持ちに則って行動するだけでも、世の中は十分良くなり発展することができます。

また、未来を軸に生きる繰り返しをしていると、満たされない気持ちばかりが蠢くようになります。そして満たされない思いは、刺激のしかた一つで強烈な不満として顕在化することができます

何かをきっかけに自分の不満に気がついた時、未来を軸に生きている人ほど自分の今の心持ちと向き合うのが不得手なので、先ほどの例題にあげたように問題の種は外界にあると判断し、そこに悪態をつき不満をもらすようになります。

「夢を持ちなさい!」、「目標を達成しなさい!」と未来の自分を設定し生きることは、現実と向き合うことが非常に不得手な人を創り出します。その上、理想と現実の区別がつきにくくなります。

警察と国防のように、本来同じメカニズムであることですら、全く違う反応をしてしまうのも、現実が見えなくなっているから起きてしまうことです。

子供たちには未来ではなく、現状ととことん向き合える強さを養わせる必要があるのではないかと思います。

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