㊍03 スジャナティの叫び 私物語~ムーの記憶~

木曜日は「物語の時間で~すよ♪」ということで、私が書いた小説をお届けしています。

この作品は2017年3月頃に書いた作品です。

当時瞑想とかしたりするとこの作品に書いた映像が浮かんでしまいまして……そしてそれが日常生活でも消えない状況になってしまったので、浮かんでしまった映像をそのまま文章化した作品です。

どうぞお楽しみください。

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03 スジャナティの叫び

 

彗星を発見し、そしてその彗星が地球にぶつかることが分かった翌日、スジャナスティの長老は力いっぱいに国民に向かって叫んだ。

 

「今日から七日後、とても大きな彗星が地球にぶつかることが分かりました」

 

普段おだやかなスジャナティだが、この日は興奮しながら、事細かに今置かれている地球の状況を説明した。

 

しかし、これを聞いても国民は、普段と変わらず穏やかな様子だった。

 

「皆さんにちゃんと伝わっているでしょうか。この地球は滅亡するのですよ!残念ながら、この彗星がぶつかることは防ぎようがない。ぶつかることが防げても、ムーは海に沈む。七日後この国はなくなる!」

 

多くの民はそれでも穏やかだった。

 

「ならば私もこの土地とともに死のう」そう潔く言い切ってしまう者ばかりだ。

 

僕の住むこのムーの土地は、そもそも生死の感覚があまりに薄い。彗星がぶつかって自分の命が無くなったとしても、誰もそれを惜しまないのだ。

 

「ちょっと待ってください。もう少しよく考えてください!」

スジャナティは狼狽した様子で大声を出した。こんな風にスジャナティの心が乱れる瞬間は、今まで誰も見たことがない。

 

スジャナティは一族全員がスジャナティと呼ばれている。この星に人間が生まれ、そしてムーという国が出来上がった頃には、星を観察する役割と責任を持っていた古い一族だ。

 

彼らは星の動向と太陽の向き、そして日々変わる星々の距離が地球に様々な影響を与えることを知っていた。

時にその影響によって、地球の波動に変化が起こることもあるが、彼らが科学者と供に開発した波動安定技術によって、僕らは温厚に生き抜いていた。

 

ムー人の温厚さは、スジャナティやムー独自の科学技術によって保たれていたのだ。だからこそ、ムー人は、心が乱れるなんて起こりようもない長い長い月日を過ごしてきた。

 

それは、今の地球に住む君たちの時間では考えられない程の長い長い時の長さだ。

 

そして、その温厚さの源はスジャナティ一族にある。その源となる彼らの心が乱れるなんて考えられないことなんだ。

 

つづく

 

つづきは来週木曜日に公開です。

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2 件のコメント

  • 今週もありがとうございます。
    私はボンクラなので、スジャナスティの長老たちより、
    国民の気持ちに共感してしまいます。
    果たしてムーの科学力でこの危機を回避できるのか、
    他の星に一時退避してやり過ごすのか、
    今後の展開を予想しながら楽しんでおります。
    できれば、皆助けていただきたいと思いますがどうなります事やら。

    • 今週もお読みくださりありがとうございます。
      一体どうなることでしょう。
      来週も宜しくお願い致します☆

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