おはようございます。
火曜日は「変わる、終わる、始まる」です。
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オリンピックに見る心の変化を探ろう♪
いよいよ今週、東京オリンピックが開催されます。
本来であれば2020年に開催されるはずでしたが、ご存じの通り武漢ウイルスの影響によって延期となりました。
1896年に近代オリンピック始まってから、延期開催は初めてのことであり、奇数年に開催されるのも初めてです。更に言えば、無観客開催も初めてなはずです。
いろいろと前代未聞で歴史上初尽くしの今年の東京オリンピックですが、東京オリンピックは中止も含めて(1940年の東京オリンピックは、第二次世界大戦の影響で中止)、今回で3回目となります。
ですから、今日はこの3回(1940年、1964年、2021年)のオリンピックの景色を比較しながら、時代の変化を私なりの視点で端的にまとめてみたいと思っています。
対等、復興、終焉…なのかなぁと。
オリンピックは「平和の祭典」です。
もちろん近代オリンピックも「平和の祭典」だと発信され続けましたが、武漢ウイルスの混乱により「その枕詞は、本音を隠す建前だった」と気が付いた人が増えているのではないかと思います。
実際、現在のオリンピックは「平和の祭典」であることよりも「ビジネス」としての側面が強いのは言わずもがなでしょう。
どうしてそうなってしまったのか、そこから紐解いてみましょうか。
近代オリンピック(1896年)が始まった年は、日本にとっては明治29年です。そして、日本人が初めて出場したオリンピックはそこから16年後の1912年(明治45年)のストックホルムオリンピックです。
このストックホルム大会は、大河ドラマ「いだてん」の主人公となった金栗四三とエリート三島弥彦のたった2名の参加でした。
その頃の日本には「スポーツ」という文化も価値観もなく、出場の意味さえ理解できない人が普通でした。しかし、この経験を通して、「スポーツは西洋人と政治や経済とは全く別のフィールドで対等に戦える(会話できる)もの」であることに、関係した日本人たちが確信を持つようになったのではないかと私は推察します。
というのも……当時の日本にとっての西洋人は、未知の生物(宇宙人)と言っても過言ではないくらい…言葉も価値観も体格も風習も文化も……何もかも違う上に、それを理解し合う土台もなかったのですから。
でも、そんな人々とでもスポーツを通せば、言葉も文化も乗り越えて対等に渡り合える…そんな実感を、あの時に日本人は得たのではないかと……私は2019年に放映された「いだてん」を見ながら思っていました。
そして、これをきっかけに「オリンピックの精神(西洋人にとっては最初から建前)」に基づき、誰よりも邁進してしまったのは、日本人ではなかったのかなと私は思います。
言い換えれば、この頃の日本はどうにかして西洋人と対等になりたい、対等になれる場所を探していたと言えるのではないかと思います。そして、スポーツこそがその一つになると気が付いてしまったがために、日本はどこの国よりもその精神を重んじて邁進していったのだと思います。
そして、今から81年前、西暦1940年・皇紀2600年の年に、日本はオリンピックの開催(初のアジア開催)にこじつけます。
この時の日本の目的は、西洋と肩を並べることが何よりの目的であり、目標であったことでしょう。しかし…残念なことに、このオリンピックは第二次世界大戦の影響で中止となりました。
また、西洋と対等に平等に公平に会話できるようになりたいと思っていた日本の希望はその後無残に砕け散り、国体を壊滅させられるほどの戦禍の果てに、敗戦国となりました。
また当時は、世界中が「もう日本はダメだ!返り咲くことはない!」と思っていたはずですが……1964年のオリンピックは、国土が完全に焦土化してから20年未満のうちに開催されました。
この頃の日本は「戦争で負けても、経済やスポーツでは負けてなるものか!」という闘争心に満ち溢れていたと思います。「平和の祭典」という枕詞と建前の裏にある本音は、「西洋をぎゃふんと言わせたい!日本をスゴイを言わせたい!」だったのではないかと思います。
つまり、この時既にオリンピックの精神は、それを忠実に邁進していたはずの日本においてもねじ曲げられたということです。
ですが、このオリンピックは日本の復興と高度経済成長のシンボルとなり、そして日本は、世界で有数の経済大国に登り詰めていくことになりましたので、日本にとっては良いことでした。
またこの時からしばらくスポーツは「形を変えた戦争のようなもの」であり続け、その空気感は私が小学生の頃まではとてつもなく強くあったと記憶しています。しかしながら…それも日本がバブルに浮れた時代を境目に変わるようになっていきます。
バブルが弾けた1990年代に突入すると、日本だけではなく海外でも「国家観」というものが果てしなく失われていくこととなり、スポーツは「個人の経験」という雰囲気に変化していきます。
またこの頃から、あらゆるスポーツがとてつもなくビジネス化していきます。そして私たちは「ビジネス化するスポーツ」の中で「平和という幻想」を見せられていたと言っても過言ではない状況に置かれ続けていたと言えるでしょう。
そして、その幻想(単なるビジネスに成り果てていたオリンピックを平和の象徴と思う幻想)を壊しているのが、今回のオリンピックだろうと私は思っています。
また今一番泡を食っているのは、このオリンピックで大いなるビジネス利権を持ち合せていた人たちでしょう。日本で言えば、電通のような立ち位置の人たちが、誰より泡を食う目に遭っているのではないかと思います。
また今回のオリンピックは、武漢ウイルスの影響によって、盛り上がり所がどこなのか分からないどころか、このイベントのためにあらゆる規制がしかれることとなり、競技者も関係者も国民も既に相当疲れていますが、金儲けのために行動してきたチームの徒労は、次元の違う果てしないものになっているに違いないと予測します。
そして、これほどまでにみんな痛い目に遭えば、このような野望こそが無駄であると気が付く人も多いでしょうし、完全にビジネス化してしまっていたスポーツの立ち位置もここから変わることになるのではないかと思います。
「そんなはずもない(スポーツビジネスの側面は変わらない)」と思う人も多いかもしれませんが、かつては「形を変えた戦争のようなものだった」のがスポーツです。
でも、それはすっかり変わったから今があるのです。
ですから、あの時(形を変えた戦争)と同じように静かに自然と変わっていってもおかしくはないし、きっと変わるだろうと私は思っています。
そして、この紆余曲折を通り抜けた後には、「本質に戻ったオリンピック」があるのではないかと思っていますし、そうであってほしいと私は願っています。
どうなるのかは分かりませんが、そうなることを願っています。
ということで、今日の話はここまでです☆
それでは来週火曜日の7時にまたお会いしましょう♪
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ゆりこさんこんにちは!
オリンピックに対するゆりこさんの見解を知りたかったんで、個人的には待ってましたなネタです笑
今回のオリンピックは、ここまでの流れを通じて、もうクーベルタン男爵の理念なんかどこにもないですよねー。
もめごとに次ぐもめごとだし、招致に力を入れていた人はどんどん現場を去っていくし、加えて開会式に名を連ねる人たちがいじめに関わっていたり、いわゆる偽スピ系絵本作家さんだったりと、日本のダメなところを見せています。
アスリートファーストなんて言うのもなく、オリンピックはただのビジネスだというのがあからさまになったと感じています。
私もずっとオリンピック大好きっこだったのに、なんか急に興味がうせてしまいました…
ただ、今、思っているのは、オリンピックが平和の幻想だったのと同時に、日本のダメっぷりも露呈されてよかったということ。
利権ファーストだからこんなになっているのかな、とも思っているのです。
だってリオの閉会式はまだ熱量の高い人たちが多くかかわっていて、「やるな日本」と思ったぐらいですから。
おはようございます。
仰る通り、利権重視の人たちに内部を乗っ取られてしまった結果、何もかもが筋の通らないことばかりになってしまいましたね。
また利権重視の人たちは、責任逃れが基本なので、それもあって右往左往させられているように思います。
コメントで、のぶみまで入りこんでいたことを今知りました。いろいろ終わってますね(´д`)
ほんと、リオの閉会式の日本プログラムは最高でしたよね。今回のオリンピックではそういうの全く期待できないですが、粛々と見守っていきたいと思います。
それではこれからも宜しくお願い致します。
こんにちは
さすが竹久さんの文章だな、、と唸りました。
アメリカ大統領選で様々なことがあぶりだされてましたが、日本においても次々あぶりだしってことでしょうか。
もうご覧でしょうけど、、、オメガのコマーシャル素敵ですね。
鶴も出てきてそこに私は痺れました。
https://youtu.be/A3yBbB-4eTU
こんにちは。
オメガのCMが話題になっていたのは知っていましたが、バタバタしていて作品を未だ見ていませんでした。
教えてくださりありがとうございます。
痺れますね。
日本の左翼の不安煽りに辟易しているので、こういう動画を見ると素直に癒やされます。
それではこれからも宜しくお願い致します。