おはようございます。
火曜日は「変わる、終わる、始まる」です。
この「変わる、終わる、始まる」では、社会全体のトレンド(流行や趨勢・すうせい)に関する情報をお届けしています。
時代によって、インフラが変わり、またこの変化によって人の興味も変わります。
激動の時代と呼ばれる昨今の中で、立ち止まって全体を俯瞰できる情報をお届けしていきたいと思ってます。
また「変わる、終わる、始まる」も月曜日の「今日から使えるマーケティング講座」と同様、お仕事で利用して頂けたら嬉しいなと思っていますので、こちらも朝7時に更新していきます。
こちらも朝のお供として、是非活用してくださいませ♪
武漢ウィルス&レジ袋有料化が顧客との関係を変える??
私がマーケティングの仕事を始めたかれこれ四半世紀前の頃、ビジネスはCS(Customer Satisfaction:カスタマー サティスファクション=顧客満足)に夢中でした。
そしてそこから派生して体系化された哲学であるCRM(Customer Relationship Management:カスタマーリレーションシップマネージメント=、顧客関係管理、顧客管理)も、もてはやされることになりました。
CRMとは、顧客が満足した状態で、消費を継続してくれる方法はなにかを模索するビジネス哲学であり、基点はCSにあります。
ですからCRMは、実はよりCSを強化させるための考えとなっており、CS&CRMの大衆化によって、当初は予想されていなかった不具合も沢山生まれたんじゃないのかなと私は思っています。
とはいえ、顧客ニーズを掴み商売に活かしていくことは、毎週月曜日に「今日から使えるマーケティング講座」でお伝えしている通り、ビジネスを運用していくに当たって重要なことだと思いますが……何事も塩梅が大事です。
その塩梅の加減が分からないままに突っ走り過ぎてしまったのが日本と言えるんじゃないのかなぁと私は思っています。
というのも…そもそもCSという考え方が大衆化する前は、生産者が主導権を持ってビジネス活動は行われいました。
そこに、CSという概念が浸透するにつれ、顧客である消費者の意向を考慮すべきという考えられるようになったわけですが…こういう感覚は今思えばみんな始めてのことなんですよね。
ですから、止めるべき場所がどこか分からなかったと思うんですよね。
だから行き過ぎじゃったんじゃないかなぁと。
またそもそも、CSにおいて重要なことは顧客満足を追求するだけではなく、顧客満足を売上に繋げていくことです。
しかしながら日本の場合は、ただただ顧客満足を追求することばかりに目がいき、その結果過度なサービス競争が発生した上、経営を圧迫する弊害を起こすケースが多発していたように思います。
また本来サービス業ではないはずの医療や教育の業界にも、この概念が浸透しすぎた結果、日本の産業は全て「サービス業」と言える状況に陥ってしまい、そして「顧客至上主義」となってしまいました。
本来ビジネスと言うのは、お金を払う側(消費者)の方が、お金を払うまでは立ち位置が低いはずで(消費者はお金を払わなければ犯罪者ですから)、ですから消費者はお金を払ってようやく提供側(メーカー)と立ち位置が対等になれるだけのことなのに、見込顧客の段階から神様のように扱わなくてはならない状況になりました。
そして、このような空気感は「お客様は神様である」的な妄想を作り出し、その結果モンスタークレーマーを大量発生させる事態にも発展しています。
私は、この状況を芳しく思っておらず、どうにかこの歪な状況が改善できないものかと……心密かに思っていたのですが、図らずとも武漢ウイルスとレジ袋有料化が、ずっと悩んでいた消費者と企業の関係を是正してくれているように感じます。
そしてCSマンセーな時代もいよいよ終わるように感じています。
武漢ウィルス&レジ袋有料化が顧客との関係を変えた??
平成から始まったCSマンセーの時代は、「お客様の言う事は何でも正しい」という空気感が蔓延り、顧客の要望に背くということがしにくい時代だったと思います。
ですが、その空気感を武漢ウイルスが変えてくれているように思います。
今までの時代は、お客様を怒らせることは即クレームにつながることが多々あったため、企業側はお客様に指図することは、とにもかくにもしにくかったでしょう。
ですが、現在私たちが置かれた状況であれば、指図せざるを得ません。
これは実は有難いことのように、私は思っています。
というのもマスクをしていない人は入店お断りを始めとして、企業側は顧客に強い態度を示せるようになりましたから。
これはCS概念の浸透によっておかしくなっていた顧客との関係値を立て直すために、非常にありがたくて良い出来事だと思ってます。
今までは何でも顧客の言いなりにならなくてはならなかった企業側が、自分たちの意見を言える糸口がようやく見つかったと言えるのですから。
それから、世の中では不評の扱いを受けていないレジ袋有料化も、私は行きすぎたCSを見直す良い機会になると思ってます。
もちろん、レジ袋有料化は地球環境の改善の何の役にも立っていないとは思うのですがね(^^;)
「どうしたら消費者と企業が対等な関係値に戻ることができるのだろう?」と地味に考え続けていた私にとっては、「地球環境の改善」の大義名分は、「そういう手もあったか!」と思うほど、目から鱗の斬新案でした。
とはいえ、経産省や環境省が「行き過ぎたCSを是正するため」にこの行動を起こしたとはとても思えませんが、このたまたまの大義名分が功を奏していると、私は思うんです。
だって、モンスタークレーマーになりやすい人って、大概リベラル思考の人なんですもの。
そんなリベラル思考の人は、地球温暖化などについて問題意識を持っていています。
ですから、普段は文句が多いのがリベラルなのにもかかわらず、「地球温暖化対策」みたいな文言をつければ迷わず協力しようとするというか……彼等の場合、「地球温暖化対策」というスローガンが掲げられた瞬間に文句は言えなくなるんですよね。
ですから、レジ袋有料化については、普段文句が多いはずのリベラルの人からは全く文句が上がっている様子がないですよね。
これって実は大きなことかなと思うんですよね。
だって企業が何か是正したいと思っていても、立ちはだかるリベラルなモンスタークレーマーさまたちがなかなか問題解決に近づけさせてくれないのですもの。
そこを黙らせて言う事を聞かせるためのフレーズとしては「地球温暖化対策」という言葉ほど功を奏す言葉はないかもなぁなんて思ってます。
そういう意味で、私はこのレジ袋有料化は良かったと思っているし、これをきっかけに行き過ぎたCSを各企業が是正するチャンスとして頑張ってほしいなと思ってます。
今の時代は「新型コロナウイルスの影響で…」、「地球環境問題の影響で…」と枕詞さえつけておけば、消費者は従ってくれます。
この絶大なる枕詞を敢えて利用して、行き過ぎたCS環境を是正するチャンスと捉えてほしいですし、CSマンセー時代を終わらせて、顧客と企業が対等の関係値に戻ることを、私個人は望んでいるし、時代はそこに向かい始めていると思っています。
ということで、今日のお話は以上です。
それでは来週火曜日の7時にまたお会いしましょう♪
それから「変わる、終わる、始まる」の過去記事が読みたい場合は、TOPの「曜日企画」→「㊋変わる、終わる、始まる」を押して下さい。
今までの過去記事が見れます。
こんにちは!
連日のコメント失礼します。
今回もとても為になる記事をありがとうございました。
本当に最近、CSマンセー時代が終わりを迎えつつあって本当に嬉しく思います^^
私もずっと接客業をしているのですが、やはり「お金払っているんだから良い思いをさせてくれて当たり前」「●年も通っているんだから我がままを聞いてくれて当たり前」という人もいました。
そのようなお客さんは思い切ってお断りしたところ、今は対等な関係性の質の良い方だけが残ってストレスフリーとなり、さらに仕事の質を高めることができるようになりました。海外では当たり前のことのようですが、日本ではかなり勇気のいることだったので悩みに悩みましたが・・・・。実際にはやってよかったと思います。
コロナ禍で更にCSマンセー時代の終焉は更に終わりに近づいていくと思いますし、歪んだパワーバランスが是正されていくこと、サービスを提供する側が楽になってくれると良いなぁと思います。
こんばんは。
日本はそもそも「おもてなし」という相手を優先する文化があるから、CSが受け容れられ、そしてそれを大々的に取り入れてしまったからこその罠みたいな……他国では誰もひっかからないような罠というか、次元に入ってしまったように思います。
何でも受け容れる事ができるのは我国に息づいた良い部分である反面、区切りをつけなくてはおかしなことになってしまいますよね。
そして区切りをつけないままに、どんどん受け容れた結果、言いたいことが言い返せない状況が生まれてしまったのですが、謝ればつけ上がる民族性の人たちがいる自覚を持ったことによってようやく変わり始めています。
そしてその効果もそれぞれ体感しているからこそ、ようやく良い塩梅に戻ろうとしていますよね。
区別はしっかりしていきたいですね。
それではこれからも宜しくお願い致します。
こんにちは。
ご丁寧なお返事をありがとうございます。
「おもてなし」文化の罠・・・本当にその通りだと思います。
私もここ数年で改めて、区切りをつけることの大切さやNGを明確にすることで本当に大切なお客様を守れること、ひいては自分の仕事の価値を高められることを実感しています。
なんでもかんでも受け入れた結果、本当に我儘な人が増えてきたと思いますし、優しくしたり謝ることでさらにつけあがる民族性の人も多いですもんね(苦笑)
私も油断するとなんでも受け入れてしまいそうになるのですが、しっかりと区別していくことを改めて意識していきたいと思います。
いつもありがとうございます。
こんにちは
菅官房長官の座右の銘は「自助、共助、公助」だそうですが……左派思想やかの国の思想に染まっている人たちは、順番が逆の考えをもっているそうです。
つまり人がやってくれて当り前で、自分で努力することはしないということなのですが……そういうタイプの人が顧客に入ってくると、大変ですよね(^^;)
その区切りを入り込まれる前からやっておくって大事だなって思ってます。
こういう人と付き合うの体力使いますものね(笑)
それではこれからも宜しくお願い致します。