6-3.条件付きの愛からの脱却

※こちらは、以前私がアダルトチルドレン(現在の自分の生きづらさが親との関係に起因すると認めた人)の問題に向き合っていた時に書いた内容を掲出しています。できれば最初からお読み頂ければと思います。→0.はじめに

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アダルトチルドレンは国民病?!

第六章 私の格闘記

 

6-3.条件付きの愛からの脱却

親の発言が子供たちに強烈な影響を与えている事に気がついて、親の方から言葉を変えたり、私たちの考えに歩み寄ってくれたとしても、自分がその影響力の根源を突き止めなければ、私たちはずっと苦しめられるでしょう。

だって、どんなに親が普通の話をしていたとしても、あくまで世間の話をしていたとしても、結局子供側は、「親の期待なるもの」を探ってしまうから。

例えば、「となりの○○ちゃん、今度お嫁に行くんだって。良かったわよね」という、なんでもない会話一つとっても、昔の私は、「となりの○○ちゃんの話を引き合いに出して、『早く結婚しろ』って、言ってるんだ」とか、思ってしまうくらいだったし。

勝手に、自分で妄想を膨らましてしまうというのは、多分にあると思うのです。

結局、応えたいんですよね。親の気持ちに。

それが、実は親の期待でもなんでもない事も、勝手に「親はこう思ってるはずだ!」とか、考えちゃうくらい、結局、応えようとしちゃうんですよね。と言うよりも、幼い頃から植えつけられた心の癖で、条件反射しようとしてしまうのです。これが私たちの葛藤の根源なんだと思います。

親は、無条件に子供に愛を注いでくれているのですが、親が子に注ぐ愛とは無条件と言いながらの、条件付きが付きまとう非常にややこしくて矛盾した愛の構造になってしまっているからです。

親という存在は、子供を教育しなくてはならないというしつけの一面を持っています。

その為に私たちは小さな頃から、善悪の判断を植えつけられ、また親が「良い」と感じている内容を選択しないことには、愛情が与えられないというもどかしさを経験しているはずなのです。

例えば、親の言うことを聞かなければ、叱られる。ペナルティを与えられる。逆に親の望む事をすれば、ご褒美がもらえたり、愛情を与えられる。というような具合で。

愛情が欲しいから、親の言うとおりにする事を覚える。そうして私たちは、親の条件付きの愛に飼いならされていくのです。でも、皮肉な話ですよね。だって、どんな時でも親は無条件の愛情を注いでいるつもりになっているのに。

私たちは、この時に培ってしまった心の癖と共に生きているわけです。だけど、小さな頃は、素直に受け止められていた親の言葉も、自分が大人になって、色々な経験をしたり、考え方を手にすることで、親の言葉ばかりを鵜呑みにできないし、時には大きく反発したくなる気分にもなるでしょう。

 

しかし、どうして私たちは親に対して、感情的になってしまうのでしょう。

感情的になってしまう理由を探ってみると、その根源には「愛」の存在がある事に気がつきました。

親子って言うのは、今どんな心理状態に置かれていたとしても、実は互いに、愛し合っているんだと思います。

だって、愛がない所に、強い感情なんて生まれもしないんだから。

何も無ければ、人は必ず無関心になるのです。

だから、「好きじゃない」、「大っ嫌い」、「許せない」というのも、間違いなく一つの強い感情なのです。

この「愛」という深い感情ゆえに起こってしまった行き違いが、私たちの頭を悩ませているのだと私は考えます。

でも、「そんな綺麗事言われたって、何の解決にもならない」って皆さん思うでしょうね。

だって、きっとこの本を読んでくれてる人は、親の事が嫌いで仕方ないという気持ちが心の大半を埋め尽くしているはずだから。

急に「愛」だの、なんだのと言われた所で、呆れた感情が心を支配してしまうでしょう。

後ほど、今ある葛藤を手放していく手法についてはお伝えしていきますが、その前の前提として、覚えておいてほしいのが「愛」の存在があなたの親子関係の中にも必ずあるということです。

親は生まれた時から親で、生まれた時から愛情を一杯に注いでくれていることが当たり前だから、当たり前過ぎて、そこに愛がある事をつい忘れちゃいがちなんですよね。っていうか、そもそもその存在自体がないんじゃないかと、思ってしまいがち。そして、その根源の存在を忘れてしまった上で、取り繕うとしたり、相手を変えよう(親の性格を変えよう)とするから、上手くいかないのです。

そして互いに気持ちが反発し合ってしまう事で、その真ん中にあったはずの「愛」が枯れてしまっているのです。

まずは、そこに水を与えてあげる事から始めませんか。

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