※こちらは、以前私がアダルトチルドレン(現在の自分の生きづらさが親との関係に起因すると認めた人)の問題に向き合っていた時に書いた内容を掲出しています。できれば最初からお読み頂ければと思います。→0.はじめに
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アダルトチルドレンは国民病?!
第二章 過去と現代の狭間にあるもの
人を洗脳するのに最も好都合な手段は、広域的に情報を届けられる場所から、自分にとって都合の良い情報を流し続けることです。
人とは不思議なもので、最初は違和感を覚えていたはずの情報であっても、それが繰り返し流されているうちに、その情報に違和感を抱かなくなり、親近感を覚えるようになります。
特にマスメディアは、同時に広域的に多くの人に情報を伝えることができます。そのため、全くのデマであっても「これこそが事実」、「これこそが真実」と伝え続けることによって、多くの人の中でそれが共有概念と変化していきます。
アメリカはマスメディアによる洗脳の効能をよく理解していて、マスメディアを大いに利用しました。
現代においても、メディアの論調次第でその人を聖人君子に持ち上げることもできれば、極悪非道な人と流布することは簡単なことです。当時は新聞とラジオしかなかった時代でしたが、その影響力はネットで一次情報に当たり検証できる今とは違い、多くの人がその情報だけを事実として信じる以外の術がありませんでした。ですから、その影響力は桁外れだったと言えるでしょう。
ちなみに、日本が第二次世界大戦に参戦し敗戦に突き進む原動力となってしまったのも、マスメディアの言論によってでした。既にその頃、新聞こそが民意を代表する言葉となっていましたから、庶民の行動はいとも簡単に新聞に左右されていたのです。たとえ、政府が正論を言ったとしても、それをメディアが気に入らなければ悪い発言として切り抜かれます。そしてその発言を真に受けた民たちは、新聞の言っていることが正しいと思って行動してしまいます。そのルーティーンに弱腰になってしまう政治家は当時も多々おり、それが失策へと繋がっていったことも多分にありました。
先の大戦は「政府や天皇が民を道連れに戦争へと突き進んだ」と思わされていますが、戦争に突き進む大きな要因に朝日新聞を中心としたメディアの影響はとても大きかったのです。しかし、この事実は今も隠されています。
そして、敗戦後はマスメディアの論調によって、庶民は先の大戦を歪曲した形で認識し贖罪意識を積み重ねるだけには留まらず、「権力悪」の想念を醸成していくこととなりました。
特に有名なのは、NHKラジオで放送された「真相はかうだ」や後継番組として放送された「真相箱」「質問箱」でしょう。
GHQがラジオを通じて、日本の軍部が如何に戦地でひどいことをしてきたのかというデマ情報を流し続けました。公共放送であるNHKから流れてくる情報ですから国民はもちろん信用してしまいます。しかし、これこそがGHQによる洗脳のための放送だったのです。
お国のために一丸となっていた国民を分断させていき、結束力を弱めるための情報工作だったのです。
GHQは自分たちにとって都合の悪い情報は全て消滅させる処置をし、「真相はかうだ」のような内容でなければ出版や放送はさせないようにしました。
「八月革命説」のようなどう考えてもデマとしか思えない情報を事実として認識してしまうのは、大学教授などもGHQと違う意向の論説を発表すれば、直ちに職を追われることになっていたからでしょう。それほどまでにGHQの検閲は徹底していました。
ちなみに「八月革命説」を唱えたのは、当時東京大学教授であり法学者であり、貴族議員でもあった宮澤俊義さんです。
彼がこのような説を唱えてしまったのは、GHQの圧力による言論統一の結果と言えますが、多くの有識者や権力者が「日本が悪かった」、「戦前の日本は暗い時代だった」、「敗戦と同時に国民は解放された」と言った情報を発信すれば、それはどんどん事実化していき、後に続くものたちは、その情報を信じて日本という国を捉えることになっていきます。
戦争を題材にする映画やドラマが全てと言って良いほど、この歴史観が根底にあって作られているのは、この時代の世論統一の成果とも言えると思います。
そして、この統治の期間にメディアがGHQに調教され、多くの国民がメディアを通して洗脳されてしまったことで、私たちの社会観念は大きく歪んだまま成長していくことになっていきます。