※こちらは、以前私がアダルトチルドレン(現在の自分の生きづらさが親との関係に起因すると認めた人)の問題に向き合っていた時に書いた内容を掲出しています。できれば最初からお読み頂ければと思います。→0.はじめに

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アダルトチルドレンは国民病?!

第一章 親のことが好きになれない大人が増えていく日本

1-5.力の圧力の後遺症

戦後世代は、学校教育で明治の開国から日本が世界の覇権国になるために凶暴になっていったかのように教えられているかと思います。

私もずっとそのように思い込んでいたのですが、東日本大震災を機に朝ドラを見始めた私は、ようやくそれが嘘であったと気が付くようになりました。(ちなみに、東日本大震災の後から、朝ドラを見始めたのは、朝から津波の映像を見るのが耐えられなくなってしまったからです。朝からテレビを見る習慣が普通だったので、テレビを消すことはできず、津波の映像を見ずに過ごせる方法を探した結果、そこにあったのが朝ドラでした。)

朝ドラは、明治から昭和前半に生まれた人を主人公に描きたがる側面があります。そして、毎朝繰り返しあの時代を目にすることを繰り返していると、私が学校教育によって思い込まされていた戦前の時代とは随分と違う華やかさや洗練さが過去の日本にはあったと知り驚きました。さらに、物資がなくなり配給制となり、男性はみんなが軍服姿に身を包み、女性はモンペを履き、さらに左胸に名札を縫い付けなくてはならない不憫な時代は、自分が勝手に想像していた時の長さと比べると随分短いことにも驚きました。

だから良かったという訳では決してないのですが、学校教育やテレビの情報によって、日本は何千年も国民を家畜のように扱い続けていたと思い込んでいたので、あの時間以前の日本は、自分が思い込んでいた以上に洗練され、穏やかで、そして笑いに溢れていたことに単に安堵したのです。

とはいえ、軍国主義といって申し分がないほどの状況に陥ってしまった時代は、一時的にではあるにせよ確実にありました。

それは日本が第二次世界大戦に参戦することになってしまった1941年から2年ほど時間が経過した1943年から1945年8月までの2年半ほどの時間です。

日本の軍国主義時代はたった数年ではありましたが、本当に悲惨なものでした。民はあらゆる自由が奪われ、経済活動もまともに行うことができず、気がつけば食料までもが枯渇し、配給によって配られる雀の涙程度の食物で生きていかねばならなくなりました。

日本の歴史上初めて、国による力の圧力で庶民が統制された時代だったと思います。

そして、既に戦後から七十年以上経過していますが、この一時的であったはずの力の統制の面影に、今でも私たちは縛られっぱなしになっていると思うのです。

たとえば、名札。これはとても不思議な存在です。ぜひ、時代劇や明治時期を描いた映画やドラマがあれば気にしてみてほしいと思うのですが、服に名前を付ける習慣など昔の日本にはありません。突如現れるのが、軍国主義一色に染まってしまったあの時代です。

学校教員で連なる組織の日教組(日本教職員組合)は特に軍国主義を毛嫌いする傾向があるなと日頃から感じているのですが、名札を軍国主義の象徴として問題視していた様子を感じたことはありません。昨今、小学校を中心に名札をつけなくなっている学校が増えているようですが、これは昔と比べて日本の治安が悪くなり、子供の名前が知られる危険性が問題として取り上げられるようになったからであって、軍国主義という理由ではありません。中学だと、未だに名札をつける学校も多く存在しますし、企業に入ればセキュリティの関係から多くの人が自分の名前の入ったICカードなどを首からぶら下げて仕事をしています。

よくよく日本の社会を見直してみると、あんなにみんなで毛嫌いしている軍国主義の欠片が敢えて残されているように見えてしまいます。

また、軍国主義時代の日本は、「力で人をコントロールし目上の人の言うことは絶対と言わんばかりの日常だった」というイメージが私の中にありますが、先ほど取り上げた文献を見れば一目瞭然、外国人が目にした明治期の日本には大人が子供をコントロールしようとする様子は見受けられません。もちろん体罰ということが常態化する日常など考えられなかったと思われます。

しかし、軍国主義を毛嫌いしているはずの現代に体罰がまだ残っています。たしかに校内での体罰は減少傾向にあるように見受けられますが、幼児虐待は年々増加の傾向にあり、家庭内で親が子供に暴力を振るうケースは増えているように思います。これは、強い者が弱い者を力でコントロールする手法が、知らず知らずのうちに常態化してしまっていると言えるのではないのでしょうか。

現代を生きる私たちが親に反発心を抱きやすいのは、まるで軍国主義を模倣するかのようなコントロールの連続が家庭内で起きているからとも言えます。

どうしてこのような事が起きているのか、次の章では、その謎に迫っていきましょう。

takehisayuriko

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