実はかれこれ14年も抱えていたトラウマが最近解消されたみたいです♪
2000年代の携帯小説ブームの中で、圧倒的な人気を誇った「恋空」という作品を覚えている人はいるでしょうか?
2006年に書籍化され、あっという間にミリオンセラーとなり、翌年2007年には新垣結衣ちゃんと三浦春馬君が主演し、映画化された作品です。
当時私は、ティーンズマーケッターとして十代の子たち(主に女子高生)のトレンド分析(マーケティング)及びプロモーションを稼業としていたので、ティーンズの間でヒットした商品のその理由を探るのはお手の物でした。しかしながら……なぜだかこの作品のヒットの理由だけは、どうしても分りませんでした。
もちろん当時はケータイ小説ブームだったので、ケータイ小説からヒット作が生まれることはままある事でした。しかしながら…正直言ってあまりに駄作としか言いようがないこの作品に、女子高生がこぞってはまてしまうのかが、どうしても分からなかったんです。
ちなみに、ヒットしたケータイ小説はどれも「エロ要素が高めである」ことは鉄板であり、もちろん恋空もその辺の要素は盛り込まれていました。
ただ、恋空は他作品と比べて(DeepLoveなど)そこまでエロ要素が高いわけではなかったです。
それからケータイ小説では「実話」という建前が売れる鉄板の一つであり、恋空も実話とされているのですが……、実話としては……どうにもこうにも無理がある作品でした。
ちなみにどんなあらすじ(実話)だったかというと……普通の女子高生だった主人公が、ヤンキーの子と恋に落ち妊娠。だが恋に落ちた相手がイケメンで人気者のヤンキーだったため、それに嫉妬した女ヤンキーにしばかれ流産。その後、彼が10代ながら、末期癌だったことが分かり、闘病。闘病の末彼氏は死ぬが、主人公は彼の子供を新たに妊娠しており、シングルマザーとして生きる決意をするというものです。そして、その経験を元に作者(美嘉)が書き残したものです。つまり主人公は作者そのものです。
職業上、ティーンズの間で流行っているものは一通り目を通さなくてはならなかったので、恋空も「魔法のiらんど(携帯小説サイト)」で読みましたが、読めば読むほど不可解な気分だけが私の中に巻き起こるだけで、一瞬の共感もこの作品には抱けませんでした。
でも、女子高生はこの話にみんな夢中で「泣く」と言うのです。
かれこれ10年以上ティーンズの仕事をしてきてこんなことは初めてでした。
私は、女子高生への共感力を元に分析や企画を手がけていたのに、こんなに気持ちが乖離したことは初めてでした。
またこの作品を通して私は「分かると思っていたはずの女子高生の気持ちが『分からない』」という体験を初めてしたのです。
ショックでしたね。
当時既に30代になっていた私は、気付けば女子高生との年齢差も一回り以上……だから分からなくなっているのかな…と、年齢による引退を考えねばならないのかと本気で悩むようになりました。
実際問題として、私の考える企画がかつてのように当たらなくなっている事実もあって、心底悩むようになっていきました。
そして、その悩みが頂点に達したのが、映画「恋空」でした。
私はこの映画を、40人くらいの女子高生を引き連れて、とあるマスコミ試写室で仕事として鑑賞しました。ちなみに当時は映画のプロモーションの仕事を沢山していて、試写したのにすっかり忘れている作品も度々あるのですが……あの日の事は未だにはっきりと蘇ってきます。
その理由は、一緒に鑑賞していた女子高生のすすり泣きが異常に早かったからです。
始まって5分ですすり泣く声が聞こえ始めた事を、はっきり覚えています。
ちなみに、始まって5分って言ったら「春馬君が登場した!」くらいのタイミングですよ。
映画の内容としては、単なる出会いですよ、出会い!出会っただけ!
なのにもかかわらず…そこでもう女子高生たちが泣き始めるんですよ。
謎すぎる!
でも、一緒に鑑賞した女子高生で原作を読んでいなかった子はいなかったはずなので(それぐらい流行ってた)、だから春馬君が登場した時点でそのうち彼が癌になって亡くなることを女子高生は考えてしまうのでしょう。だから、涙が出ちゃうんだと思うのですが……それにしても早くない??早すぎない?っていう戸惑いが私の中では隠しきれなくて……っていうか、仕事柄高校生を引き連れて映画を観る機会(仕事)は度々あったのですが、こんなスピードで女子高生が泣いた作品は後にも先にも「恋空」だけです。
私個人は、何が面白いのかさっぱり分からない作品なのにもかかわらず、女子高生たちは始まって即のスピードで泣き始め、さらに中盤からは完全に鼻水をすする音の大合唱が場内に響き続けました。
ただただ私はショックでした。
それは私だけが共感できていないという事実。
それがショックでした。
共感できないということが、こんなにショックなことだとは思いもしませんでした。
もちろん三浦春馬君や新垣結衣ちゃんになんの恨みもありませんし、二人に落ち度はありません。
お二人は当時から素晴しい俳優さんだと思っています。ただ作品を私が拒絶していただけであって、お二人になんら落ち度はありません。
でも、この作品を鑑賞して間もないうちに、私はティーンズに関連する仕事から一線引き、別部署の仕事をするようになりました。
あの頃は鬱も患っていて、それゆえいろいろと記憶と時系列が曖昧だし、当時何が私にとってショックで辛かったのか良く分からないほどいろんな事が立て続けに起きていたけれど、あれから14年ほどの月日が経ち振り返ってみると、自分の仕事の技量に対して満足できない状態になっていることが何よりの不安要素になっていたのではないかと思います。
そうでなければ、ティーンズの仕事から離れたいと思わなかったと思います。
ただ、離れたことも今思えば功を奏していて……その後社内の経営管理システム(ファイルメーカー)を一人で作ることになり、作ったのですが…(当時はずぶの素人…今は趣味レベルにしてはプロっぽい程度)、その技術が今の私の収入の大半を支えてくれています。
だから、あのタイミング(映画「恋空」)でショックを受けて、ティーンズマーケティングをリタイアしたのは良い判断だったと思うのだけれども……
結果論として、私の中で無自覚のうちに二人に対する苦手意識がつきまとい続けていました。
それくらい二人の作品を避けていた自分がいたんです。
こないだの記事で、「逃げ恥は一生見ないままでおこうと思っていた」と書いたけど…
流行好きの私が自然とそう思ってしまった理由も、「結局私が恋空にトラウマを抱えていた」からこそ起こった事なんだよなぁと……今回改めて思いました。
というのも私……あんなに人気作品が沢山ある新垣結衣ちゃんなのに、恋空以外に見た作品は長瀬君の「マイボスマイヒーロー」だけなんです。
ちなみに春馬君も、自分が見たい作品に出ていれば受け容れるけど、春馬君が主演の作品は亡くなられるまで、恋空以外見た事が実はなかったんです(>_<)
その事実に……去年、三浦春馬君の悲しい出来事があったことでようやく気が付きました…そして相当な具合で「恋空」にトラウマを抱えていたってことにも気が付きました。
さらに今回、想像以上に新垣結衣の作品を見ていなかった自分に改めて気が付いて、トラウマ具合の凄さをさらに感じたんです。
自分では気が付かないくらいの相当なショックが、あの日あの時起きていたんだってことに……気が付いたんです!
でも、新垣結衣ちゃんがこの度結婚されることになって、そして結衣ちゃんが現在32歳であることがしこたま報道されたことで「あの時の私と同い年だ!(厳密に言えば結衣ちゃんのが一つ上)」って事に気が付いて……そして、ようやく私は救われました。
あの時「分からない」の象徴になってしまった新垣結衣ちゃんと、あの時の私はだいたい同い年だと気が付いた瞬間から、何か全てが水に流れていくような気持ちになれたんです。
私にとってはスゴイことなんですが……ほんと、私以外の人にとっては、ガチでどうでもいい話を長々としてしまいすみません。
でも、こうして書き残したら急にもの凄く元気になりました!
何を抱え、何に捕われていたのか、自分なりに分析して書き残したら、身体の疲れがなぜか一気に取れました。
ここ数日、頭の回転が異常に遅すぎて、どうしてこのスピードでしか作業ができないのか理解不能な気分に陥っていたのですが、ここで今スッキリできたので、通常以上のスピードが戻ってきそうな気がしてます♪
あぁぁぁぁ……本当にスッキリしました!!
この記事を書いたことで、私が10年以上に渡って抱えていたトラウマ出し切れました!!
ほんと、誰の得にもなっていない記事ですが、どうかこれは私のブログということでお許しください。
でも、今こんなにスッキリしたことで、一つ気が付いたことがあります。
十年以上もトラウマを抱えるくらい、私はティーンズマーケティングの仕事をプロとして一生懸命にやっていたということを!!!!
そうじゃなきゃ、そもそもトラウマになんかなりゃしない。
急にあの頃の自分が愛おしくなりました。
あぁぁぁぁ!!!!!! 本当にすっきりしました!!
記事の冒頭では「実はかれこれ14年も抱えていたトラウマが最近解消されたみたいです♪」と書きましたが……、書いた事で「完全に解消されました!」
本当に、スッキリだ!!
ここまで読んでくださった皆様本当にありがとう。
何の得にもならない私の話に付き合ってくれてありがとう。
本当に感謝します!
それではまたね!
↓無料講座の配信が開始されました↓
↑お試し☆現在も募集中です♪↑
電子書籍は半額です。(縦書きと横書きと2パターン用意してます。)
生きやすさを手に入れるための 波動とエゴの法則を書いた本【縦書き】
生きやすさを手に入れるための 波動とエゴの法則を書いた本【横書き】
書籍紹介ページへ↓
【新刊発売】生きやすさを手に入れるための波動とエゴの法則を書いた本
View Comments
こんばんは。
恋空は春馬くんが亡くなってから見ました。
それまでは興味もなく、ちなみに私はゆりこさんと同い年くらいだと思います。
トラウマ、それぞれの人にそれぞれのトラウマがありますよね!!それがトラウマであることに気づけて、言語化して誰かに聞いてもらう……。
私もよくやることです。
子育てで大問題を抱えてから(不登校)、自分のトラウマとかがめちゃくちゃあふれ出てきました。それを誰かに聞いてもらうと、昇華されたような。
まだまだいろいろ抱えてそうです。
アダチルだし、ロスジェネなんで♡
おはようございます。
人に話すことでもないし、共感が得られる話でもないし…それにそこまで大きな問題ではないし…ということで自分の中に留めおきつづけていた話なのですが、「トラウマ」って気が付いたら、誰かに話した方が良いんだなってこと、今回のことでしっかり気が付けました。
しかも、書いてみたら想像以上に個人的には大きいトラウマだったことも分かって、本当にびっくりしてます!
今日は朝からめっちゃ体調が良いです!
お互いいろんなトラウマを抱えていると思いますが、気が付いたら吐き出すの習慣で乗り越えていきたいですね。
これからも宜しくお願い致します。
こんばんは。
この記事を読ませていただいて、「世界の中心で愛を叫ぶ」のことを思い出したのでコメントさせてもらいました。
私がちょうど高校生の頃?セカチュウが大ブームで、小説も映画も観たのですが…どう考えても駄作!!
私でもあんな内容なら書ける!!というのが当時の自分の感想でした。
ところが、周りの女子中学生の反応は「泣ける!!凄い良い話!!」の一点張りで、正直な感想を誰にも言えませんでした。
恋空を観た時も全く同じ現象が起きて、全く同じ感情を抱いたことを覚えていますm(._.)m
この時に思ったことが、文章や映画が本当に好きだったら、こんな薄っぺらい内容なんてだれも感動しないのに、普段から文章を読んだり読解力がない人は薄っぺらい内容でも感動して泣けるんだな、と。
でも、そんなことは周りに絶対言えませんでした。同調圧力の怖さがあったからです。
周りが「この映画は絶対こう!!」といったら、反対意見が許されない。特に学生時代はその影響が顕著に現れています。
ゆりさんにとっての恋空のトラウマ、私自身はセカチュウですが、あの頃の時代背景があったから仕方がなかったのかと思います。(ブームとか流行りはだれがなんと言っても事実として流行りであって、それに乗れなかったらショボいというか、イケテいない、というか。。。)
今の世の中でも、正直に自分が感じた意見を言ったり、行動をすると変人扱いされる風潮はありますが、周りがこうでも自分はこう思う!という揺るぎない意志や意見を持つことって大切なんじゃないかなぁと思っています。
まとまりがない文章でごめんなさい。
おはようございます!
分かる!!セカチューもつまらなかったですよね(>_
いつも楽しく拝見しております。
私は恋空が流行った頃は女子高生〜大学生あたりだったのですが、私の周りでは誰も興味はありませんでしたね。
わりと進学校だったからか、「とりあえず登場人物が死ねば感動するでしょ?」という感じが見え透いてることに気付いている人は多かったように思います。
他の方のコメントにも挙げられていたセカチューもそうでした。(『助けてください!』と叫ぶ有名シーンを真似したりはしましたが(^^;))
ただ、大学で塾講師のアルバイトをしていた時の生徒が恋空を大好きだったのですが、その子はとても素直な子だったので、素直で信じやすい子供はああいうストーリーを真に受けてしまうんだろうなと思いました。
あと、とても印象深いエピソードがありまして。
先程話した恋空ファンの子は携帯小説が大好きな子だったのですが、携帯小説にハマってから国語の成績がガタ落ちして、それで塾に来ることになったという子だったのです。
そして塾でマトモな文章を沢山読むうちに成績が戻ったんですよね。
私思うんですが、携帯小説って文章ではなく『空気』を読むものだったんではないでしょうか。
そう思うと、あの生徒の成績ダダ下がりが納得できるんですよね。
確か恋空が流行った時に『KY』という言葉も流行りましたしね。
だから竹久様が理解できなかった女子高生たちの映画での反応というのは、ストーリーを見て泣いていたのではなく、『これから春馬くんの役は死ぬんだよな』『好きな人が死ぬって悲しいことだよな』という"空気"を読んで泣いていたんじゃないかと思います。
しかし、100日後に死ぬワニの炎上やプペルが馬鹿にされていたのを見ているとそんな時代ももう終わったのだなと思いますね。
あの時代は不景気だったとはいえ震災前で、若い人のほとんどが死についてピンときて無かった時代ですから、だからこそああいう『御涙頂戴』なしょうもないエピソードで感動してしまったのかなと思います。
おはようございます!!!
的確な分析ありがとうございます!!
ずっと一人で抱えていてぐるぐるしていた納得のいかなさが、このコメントでもの凄い勢いで解かれていきました!!
本当にありがとうございます。
心が落ち着いたのか、涙も出てきました。
本当にありがとうございます。
また「文章ではなく、空気を読んでいた」という解説で、スピ系ブログにはまり続ける人たちの思考回路の謎も解けました。
読解力の違いではなく、そもそも思考回路が別次元にさせられてしまうものがあーいう文章にはあるんだなという事が見えてきました。
すごいスッキリしました。
ありがとうございます。
これからも宜しくお願い致します。
お役に立てたならとても嬉しいです(*^^*)モヤモヤしてた気持ちが言語化できたときってスッキリしますよね♪
コメント投稿してから思ったのですが
> だから竹久様が理解できなかった女子高生たちの映画での反応というのは、ストーリーを見て泣いていたのではなく、『これから春馬くんの役は死ぬんだよな』『好きな人が死ぬって悲しいことだよな』という”空気”を読んで泣いていたんじゃないかと思います。
と書きましたが、実際にはここまで考えてたらまだ立派なほうで、単純に『これは泣ける話だ!』『これは感動する映画だ!』という"空気"を読んでいた子がほとんどかもしれないな・・・と思いました。
スピ系ブログだったら、ハマってしまう人が読んでるのは『この人は真実を言ってる!』『この人は本物だ!』という"空気"かもしれませんね。その空気が醸し出されている原因って、本当は言っている内容ではなくて、実際には書き手の自信満々な態度とか喋り口調なのかなあと思いました。
こんにちは!
あぁぁぁ!なるほど!
それあるかも!っていうか…多分そういう人沢山いるんだろうなぁって、開眼に繋がりました。
態度がでかいだけの事を立派だとかスゴイって勘違いしている人って確かに沢山いますものね。
ここら辺の視点、今まで全く持ち合せてなかったので、これからこの部分意識して分析していきます。
教えてくださりありがとうございました!
これからも宜しくお願い致します♪