ほんの数週間前、小池都知事が敷いた戦略は、何か難攻不落の牙城であったはずですが……。
今回の都知事選、前熊本県副知事の小野たいすけさんの出現さえなければ、全ては小池の思うつぼであり、思うがままであったことと思います。
また、何の後ろ盾も組織も支持母体も持たない小野さんが出た所で「私の敵ではない」と彼女は思っていたはずです。
ですが、たった数週間で風向きは大いに変わりました。
きっと今、彼女は慌てていることでしょう。
それは彼女の最近の言動を見れば察しがつきます。
というのも……どうも小池さんは、小野さんが演説などした話をパクっているようにしか思えないからです。そして「前から考えてました」風を醸し出すことに必死のように見えるからです。
コロナ対策においては、大阪の方針を後追いしたのと同じやりかたを今選挙戦でも繰り広げているように映ります。
つまり、小野さんを強敵と認識し、また情報の方向性が正しいと小池さん自身が理解していると言えますが……つい数週間前までこんな状況に陥るとは小池さんは思っていなかったことでしょう。
ですから、小池さんにとって小野さんの出現は誤算であり、さらにこの大躍進はもっと誤算だったはずですが、小野さんさえいなければ、小池さんにとって今回の選挙戦略は完全勝利を確信できる難攻不落なものであったはずです。
ですから小池さんの目論みをここで明らかにしてみましょう。
ちなみにこの目論みの分析に関しては、私の妄想も入っていることをお含み置きください。
百合子の考えた今回の戦略(憶測)
①自民党の候補を立てさせない、そして自分の支援に回させる→自民党が候補を出さない時点で勝利の可能性はほぼ間違いなしです。
②都のCMなどで自分を出演させることにより、潜在的な選挙活動(現都知事であることを最大限にアピールする選挙活動)を行う→都のCMで知事が表にでることは普通はまずない。可愛いタレントとかがやれば十分なのに、小池が都の顔としてCMに出ている理由を皆さんお考えください。
③東京アラートなどの施策によって、都民を外に出させるのを防ぎ、集会などを行わせなくさせる→新人候補の選挙活動について不利になる状況を作れます。
④コロナ対策を理由に選挙活動は行わないとし、テレビ討論なども回避→討論会を回避すれば、4年前に掲げたマニフェストが達成されていないこと、豊洲の問題、オリンピック会場の地方への分散問題、希望の党の失敗など、過去の愚策を含めた問題点をつっこまれずに済みます。一方で毎日コロナの関連の記者会見で仕事をしているアピールはできます。
この方針で彼女は選挙戦を戦っていると私は憶測しておりますし……まずもって、自民党に対抗馬を立たせない事が実現すれば勝ちも同然です。
その上で、後は得意のイメージ戦略のみで突っ走るのが彼女の策であっただろうとも、憶測しています。
自民党が対抗馬を立てず、新人左派との戦いとなれば、正直言ってもう選挙と言える状況ではありません。
これは多くの首長選挙で誰もが経験していることだろうと思います。
ということで、小池さんの中では、自民党が候補者を立てないことないことで「この選挙は勝ったも同然」というポジション作りに成功しました。
しかし、この世の空気感に異を唱えた実力者がたった一人で立ち上がりました。
それが小野たいすけさんです。
彼は大きな声で叫びました。
「これは民主主義ではない!このままでは東京は沈没する」と。
「ここで自分が立ち上がらなくては、日本は成熟した民主主義にはならない」と。
そこから彼は、「民主主義とは何か?」ということを語り歩き始めました。
「スローガンの選挙はもうお終いにしよう」というフレーズは、新しいスローガンの形として多くの人の心に届き始めました。
そのため、スローガンや耳心地の良い言葉に踊らされず、きちんと政策を吟味する人が増え始めました。
またこの傾向は、小池さんがテレビ討論などを拒否し、籠城作戦にでた結果であるとも言えるでしょう。
テレビ討論が実施されれば、多くの人は「テレビを見て決めよう」と思うけれども、今回はそれがありませんので、それぞれのネットの発信を中心に吟味するしかありません。
それによって、テレビでは得られることのない深い情報に多くの人(特に知識人)が辿り着いてしまっているように思います。
薄っぺらで空虚で意味のない話をさも重大なことのように言い張れる小池さんにとっては、最も開いてはならないパンドラの箱が空いてしまったと言える状況になっているのではないかと、私は感じています。
今はSNSの時代ですから、無名の知識人の声が有名人と変わらない力を持っています。
その人たちが吟味した上での結果がネット上に流れ始めています。
現代の情報スピードは4年前と比べものにならにほど速く、しかも流通経路は小池さんが認識しているものとも全く違います。
その危機感は彼女は認識していると憶測しますが…彼女が頼れるのは、結局「権力」だけでしょう。
小池さんはいつも通り「立場」を利用して、重鎮に媚びを売る方策でこの場を凌ぐはずです。
しかし、すぐに手のひらを返す小池さんの立ち位置が危うくなっている所で、一肌脱ぐ人はどれほどいるのでしょうか。
私は切り離す人が多いのではないかと感じています。
また私は、こうした小池さんの選挙活動をしない(4年間の総括をきちんとしない)行動が、小野さんが求めた「成熟した民主主義の論議への入口」を作り始めていると感じています。
これこそが小池さんにとっての大いなる誤算であったとも感じています。
もちろん小池さんがテレビ討論を引き受けていたのなら、「都政よりも選挙か?」という反論も大きくなるのは言わずもがなです。
しかしその反面、なんだかよくわからない百合子節に巻き込まれてしまう人も多数いたことでしょう。
にもかかわらず、その主戦場を放棄したことが誤算となり、仇となって彼女に返ってきているように思います。
これは現在、政治に関する本を書いている私にとってもかなり嬉しいことです。
なぜなら私は、多くの人が民主主義について誤った解釈をしていると感じており、そのため執筆している本の大部分は、その誤解を解くことに費やしているからです。
そのモヤモヤしていた部分を、行動で見せつけてくれているのが小野さんです。
そして小野さんの行動によって、誤解されていた民主主義の見直しも始まっており、彼が求めた「成熟した民主主義」の一歩が始まっているように思います。
どうかこの選挙が、形だけの民主主義に治まってしまったおかしな状態を見直す良き機会になることを私は祈っています。
そして女帝小池の愚行がブーメランとして戻ってくる選挙戦になることを密かに期待しています。
変化が大きい今の時代にオススメの一冊です☆
書籍情報はこちらから→ほんの少し見方を変えたら~ようやく本質に戻れる時代の中で~
電子書籍は半額以下のお値段で購入できます。
↓電子書籍はこちらから、縦書きと横書きがあります。
【縦書き】
【横書き】
View Comments
こんにちは。 いつも楽しく拝見させていただいています。
情報リテラシーなどを教えておられ、波動などもお分かりになられる方なので、お間違いないとは思いますが、正直、小野さんを推しておられることに違和感を感じます。
現在、メディアは小野氏、小池氏、山本氏、宇都宮氏の4人を大々的に前に出しています。
この4人の内の誰かに当選して欲しいと見えるんです。
もしかしたら竹久様のご存知ない小野氏の裏があるのでは?と感じています。
彼はバイデン派で反靖国参拝と言うことも見ましたし、他にも利権が絡まない所には何もしようとしないことなど色々と見ました。
どう思われますか?
こんにちは。
メディアが4人しか表立って評論しないのは、国政政党からの支持があるかないかによるものだと思います。
N国党の立花さんは今回ホリエモン新党という国政政党ではない党からの出馬となっているため、メディアは取り上げておりませんが、N国党として出ていたらもっとメディアで名前がのっていると思います。
前回10万票も集めた桜井さんが取り上げられないのは、単純に日本のメディアが左傾化しているからだと思いますが、あまりに取り上げられないこともありコミュニティが極右の様相になっているのは恐いなと思って眺めてます。
ちなみに、靖国参拝については「個人としては好きだし行きたい場所だが、都知事としての参拝は難しいのではないか?」と仰っており、これは外交問題化することを避けるための一言でしょう。だから、反靖国参拝というのはおかしいと思います。
またこの一言に限らず、地方行政のTOPとして当り前の事を伝えているだけのことについても、アクロバティックな解釈に転換されている事例が散見され、こういうあまりに筋違いな感情論によって情報を誤って解釈する人たちが多数いるんだなということを今回のことで理解しました。
ちなみにバイデンの話は今の所一度も出てきていないと思います。
多分見られている情報が二次、三次の情報だと思うので、一次情報に当たられてみると良いかなと思います。
それではこれからも宜しくお願い致します。
テンション下げるようなコメントになったら申し訳ないので
書き込もうか迷っていたのですが、個人の感想・見立てということで
私見を書いておこうと思います。
大前提としてはみんなが正しい民主主義に気付いていく、
小池さんの虚像に気が付く人が増えるという流れはあると思います。
でもそれを踏まえて今回はやっぱり小池さんが当選するんじゃないかなと、
全体を見ると感じています。
で、当選した後にスキャンダルなのか何なのか、なにかしらの出来事が起きて
任期途中で失脚するんじゃないかなって気がするのです。
やっぱり因果応報で報いは受けなきゃいけなくて、
任期中でのスキャンダルだと逃げも隠れもできないから
本人としては不出馬や落選の方が良かったと思うくらいの結末になるんじゃないかと。
そうなってまた選挙があって、そこで今回知名度を上げた小野さんが
満を持して都知事就任・・・というシナリオを妄想してみました。
本当はすんなり今回で小野さんになった方が
東京都もソフトランディングでいけると思うのですが、
都民が多数決でハードランディングを望むならしょうがないのかなと
割り切っています。
気がするとか思うとか、自分勝手な予測を書いてしまいましたが、
確実に時代の流れは変わってきていますよね。
とにかく良き未来になることを祈っています。
おはようございます。
かたさんの推察が正論の解釈で、私の推察は自分の思いが強くなったアクロバティックさを内包しているのは自分でも理解しています。
でも後6日間何があるか分からない中で、今諦めるのは勿体ないと、どうしても思ってしまうんですよね(^^;)
少なくともここまでの流れは、天を味方につけているとしか思えないほど奇跡の連続であり、今の状況だけでもあり得ない奇跡です。
ですから、この奇跡感を加味して、アクロバティックな奇跡を求める気持ちが止められません(^^;)
どちらにせよ6日後に結果は出ますので、生暖かい気持ちで眺め見守って頂けたら幸いです。
これからも宜しくお願い致します。
おはようございます。
竹久さんと同じような考察をしておりました。
自分の為に周囲の状況を最大限利用し、且つ自分の為の状況を作り出す布石も打っておく。
小池百合子は、ただの「政治屋」です。
今までの風潮として、あらゆる場面においても「できるだけ責任を回避する」ことが常態化してしまっていたと思います(政治においてもビジネスにおいても)。
そう考えると、ある意味小池百合子に責任を負わせていることにもなるのですが、小池百合子はそれで責任を感じるようなタマではなかったということですね。
「責任」は誰しも負いたくないと思うもので、誰かが放棄した責任は別の誰かが負わなければならないというのが常であるわけです。ですが、責任を負わされ続けてきた人達も我慢の限界にさしかかっているのではないでしょうか。
ならばこの「責任」を先送りしたり曖昧にしたり誰かに転嫁したりしていた人達は、これから恐らく生き辛くなっていくものと思われます。そのような人達は時代を巻き戻そうと必死になるでしょう。
そのような観点で人を見れば、選ぶべき(付き合うべき)人間を見極める判断材料にはなるのではないかと思います。
都知事選の結果、大注目ですね。
おはようございます。
ほんと、如何にこの何十年かの日本社会の主流が「無責任であったか」を今回の選挙で思い知らされますよね。
マスコミによってスタンダードとなった事に反論するのは政治家としてリスクが高く、そのためそのリスクを回避するために間違った統治が横行していたわけですが、それを正論でぶち抜くのは本当に難しいです。
小野さんは子宮頸がんワクチンについても「勧めるべき」とはっきり仰っているだけでなく、批判にさらされそうなカジノ、水道民営化、LGBTについても推進する方向である事とその理由と政策をはっきり述べられています。
この勇気がまずは凄いなと思うし、逆に如何に今までの政治家がおべんちゃらで美辞麗句を並べていたのかも思い知らされます。
また小野さんは答弁書や都政の業界新聞なども結構読み込んでいるようで、既に内部の問題点に気が付いており、これを立て直すのは大変な作業であると理解しているように思われますが、「全ての責任は自分にある」としてやっていこうとするのも、他の政治家には無い所だと思います。
どうなるか分かりませんが、善き結果になることを祈ってます。