木曜日は「物語の時間で~すよ♪」ということで、私が書いた小説をお届けしています。
この作品は2017年3月頃に書いた作品です。
当時瞑想とかしたりするとこの作品に書いた映像が浮かんでしまいまして……そしてそれが日常生活でも消えない状況になってしまったので、浮かんでしまった映像をそのまま文章化した作品です。
どうぞお楽しみください。
目次を利用すると、今公開されているページを全て確認することができます。
↓目次ページへ↓
目次
それは、国中の情報流通係が一同に、スジャナティとオノポリオンが主催する会議に呼ばれた時だった。
必死に国の安否を説明するスジャナティの声の上から「見たことがないショーが始まる」と、聞きなれない声が私の耳をつついた。
それは北極を陣取った異星人たちの歓喜の声に間違いがなかった。その瞬間、憎悪という得体のしれない感情に、私の体が生まれて初めて包まれた。
「ダメよ!アウワ!反応すれば嵐が起こるわ、こんな時に嵐を起こしてどうするの?」
隣にいた母が私の変化に気が付き、すぐに私を制した。
ムーの人は、自分たちの心持ちによって体内粒子の波動が変化し、その粒が体から巻き上がり嵐が起きてしまうことを良く知っている。だからこそ、ムーの人々は、いつも愛に満ち溢れ、心が穏やかであり続けるように努力する。
―見たことがないショーが始まる―
あの声が私にだけ届いているはずはなかった。きっとここに集まっている全ての人の耳に届いているはずだった。しかし、ここに集まった人の中で、私以外に心を荒げてしまう人はいなかった。みんな冷静で、その声を無視し、スジャナティとオノポリオンが示唆する未来の問題に集中していた。
私はみんなの心内が気になり、アクセスしようとしたけれど、その会議中、誰にもアクセスができなかった。みんなスジャナティとオノポリオンの周波数に全ての意識を合わせて闇の声を遮断しているようだった。
私は突如巻き上がってしまった憎悪や怒りのような感情をコントロールすることに精一杯だったけど、みんなはそんな波動と同期させないようにしているようにみえた。私にはよく分からないが、それが最善の策なのであろう。
あの彗星を発見してから、毎日がとにかく慌ただしかった。
そして、いよいよ地球を離れる日がやってきた。
つづく
つづきは来週木曜日に公開です。
目次を利用すると、今公開されているページを全て確認することができます。
↓目次ページへ↓
目次