㊊どうして?マーケティング頼りの商品開発は失敗する

アイディアを消費者頼りにすると、商品は面白くなくなる

また、商品開発において、あまりに消費者ニーズをすくいあげていくと、最終的には面白くない商品になってしまう可能性が高いです。

なぜなら、多くの消費者は大衆的な意見しか持ち合せていないからです。

しかしながら、消費者と言っても、ある分野に特化した有識者や専門家とも言える人たちから、消費者のニーズやアイディアを拾い上げる場合は話は別ですが、アーリーアダプターとなるターゲットが明確になっていないのに、意見の吸い上げをしたら必ずおかしなことになるので気をつけた方が良いです。

ちなみにアーリーアダプターの意味とは↓

アーリーアダプター

新たに登場した商品、サービス、ライフスタイルなどを、比較的早期に受け入れ、それによって他の消費者・ユーザーへ大きな影響を与えるとされる利用者層のことである。

 

アーリーアダプター層は、だいたい業界のヘビーユーザーとも言えるので、そもそも知識が専門家に近しいくらいのことが多々あって、そういう方から意見を抽出するのは意味があるのですが……逆にこういう方をスクリーニングするのが年々難しくなっているとも言えます。

ちなみにスクリーニングの意味は……

スクリーニング(screening)

1 ふるいにかけること。選抜。選別。「特定の個体だけをスクリーニングする」
2 迅速に結果が得られる簡便な検査を行うことによって、集団の中から特定の病気が疑われる人を選び出すこと。

 

たとえば私の経験談で言うと……「今日はB系男子(いかちぃ系男子)の方を集めてますので……」と聞いて、グループインタビューのモデレーターをしに現場に行ってみたら、集まってきていたのはユニクロ男子(普通っぽい好青年)だったと言うこともありました。

※グループインタビューのモデレーターとは、座談会形式の調査方法の際に司会をするもののこと。

ユニクロが悪いとか言う意味ではないのですが、求めているB系とはこんな感じ。

ちょっとアングラな、悪そうな、HIPHOP常に聞いてます的なそういう人たち。

そして聞きたいことも、こういうB系ぽさがある人だから分かりそうな話だったのに…………その感覚がそもそも分からなさそうな人が集まっても……って感じでしょ?

ちなみに、なぜこんな事が起きてしまうかというと、調査会社がネットでスクリーニングしている事が増えているからです。本人の実物を確認せず、年齢、好きな服のブランドや趣味、それから職種、年収などの項目で割り出すと、実物像がこちらが求めているものとは全く違うということが多々起こります。

ですから、ネットを基点に調査していると、スクリーニングの段階のミスみたいなものは多分多発していると思うので、アーリーアダプター層に向けて調査しているつもりなのに、そうなってない事態が頻発してしまいます。そしてスクリーニングの段階のミスによって、調査がマジョリティ的意見を拾ってしまうことになっている場合がありますので、そこは気をつけた方が良いと思ってます。

ちなみにマジョリティの意味は……

マジョリティ

マジョリティ(英:majority)は、本来、「多数者」・「多数派」を意味する英語の言葉。反対語は、マイノリティ。

 

ちなみに、調査対象がマジョリティになっている場合、調査結果がとにかく面白くないことになるだけでなく、本末転倒になる場合もあります。それから、調査対象がマジョリティ層になると、大概「コスパ重視の発想」になっていきます。

つまり、良くて安くて使い勝手が良くてといった、大衆的に受け容れられる話しかでてこなくなります。

それは調査せずとも誰もがそう思ってしかるべき発想であって、調査する必要のないことです。しかも、そこに合わせていったら、結局何の個性もない商品に仕上がるという結果が待ち受けています

消費者ニーズを広うことはもちろん必要なのですが、どの消費者から意見を聞くのかはとても重要な部分です。

その重要性を軽視し、ただ意見を拾う事を考えていたり、とりあえず調査しておこうということになると、調査費用が無駄遣いになるどころか、面白い商品を作るきっかけを失ってしまうので充分注意してほしいなと思ってます。

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