おはようございます。
火曜日は「変わる、終わる、始まる」という企画でお届けします。
この「変わる、終わる、始まる」では、社会全体のトレンド(流行や趨勢・すうせい)に関する情報をお届けしていきます。
時代によって、インフラが変わり、またこの変化によって人の興味も変わります。
激動の時代と呼ばれる昨今の中で、立ち止まって全体を俯瞰できる情報をお届けしていきたいと思ってます。
また「変わる、終わる、始まる」も月曜日の「今日から使えるマーケティング講座」と同様、お仕事で利用して頂けたら嬉しいなと思っていますので、こちらも朝7時に更新していきます。
こちらも朝のお供として、是非活用してくださいませ♪
私は2012年まで、総合マーケティング・エンタテイメント企業で働いておりまして、その関係上、メディア(テレビ・新聞・ラジオ)や広告業界の人とも一緒に仕事をさせて頂いておりました。
ですから、割合人よりも広告に詳しいと自負してしまっていた所があるのですが……ここ最近GoogleAdsenseを始めたことによって、自分が思い描いていた広告業界からは様変わりしている事に気がついて本当に驚いています。
そして、こういった前時代に培った思い込みこそが、時代に乗り遅れる要因になっていくのだなと痛感しました。
ですから、今日は久しぶりに広告業界と向き合ったら、10年前とはびっくりするほど違いがあって驚いてしまった部分についてお話しをすすめていきます。
今回のお話しは、私の浦島太郎っぷりが凄すぎて、ビジネスマンの人には有益じゃない情報が多いかもしれませんが、どうぞ時間の許す限りお付き合い下さいませ。
私がGoogleAdsenseに乗り出して一番に驚いたのは、アメブロなどの大手サイトもGoogleAdsenseを利用していたという事実です。
アメブロを運営しているサイバーエージェントと言えば、インターネット広告代理店のTOP企業ですが、その企業もGoogleAdsenseやYahoo広告を利用していることにまずは驚きました。
ネット広告の右上には、必ず[i]マークがついているのですが、
ここにカーソルを合わせると、どこから広告が流れてきているのか分かるしくみになっています。
自分自身GoogleAdsenseを始めるまではこういうことに気を止めたことがなかったのですが、自分のサイトにアメブロと同じ広告が載っていた事がまずは驚きだったので、どうしてこんな事になるのかなと思い広告を調べていたら、さっきの[i]マークの存在に気がつき、そしてチェックしてみたらアメブロも私も同じ広告流通のシステムを利用していることが分かったんです。
ちなみにGoogleAdsenseを利用して広告をいれていると「Ads by Google」と表示されます。
yahooだと「Yahoo広告」と表示されます。
また他の広告流通システムを使っていれば、他の会社名が表記されます。
アメブロの場合は、Google、yahoo以外の広告流通システムも利用して運用してますが、ビジネスモデルとしては私と同じものを利用しておりまして、繰り返すようですが私はそれに驚きました。
10年前はこんなに便利なアフェリエイトシステムが市場に導入されていなかったのもあるのですが、当時のサイバーエージェント(10年くらい前)は、自社で広告を取ってきて自社のプラットフォームに乗せるビジネスモデルで運用されていたはずなんです。
ですから私は、アメブロに載っている広告はサイバーエージェントが自ら広告を取ってきて、それを自社のプラットフォームに載せて運用をしてるもんだと思い込んでいたのです。しかし…今は違うんですね。ビジネスモデルが変わってるんですね。
それから気になって他の大手サイトも覗いてみては、どこから広告が流れているのか調べていたのですが、ほぼほぼ全てどこの大手サイトも、個人ブロガーと同じアフェリエイトのしくみを利用されています。
少し前にこんな記事を書きまして↓
そこで「ブロガーには想像以上に未来があるよ」とお話しさせて頂いた理由には、収益構造が大手も利用しているものだったからです。
そして、これからネット広告が減るということは考えにくいので、まだまだ参入のチャンスがあるというお話しを書かせて頂いたのです。
日本の広告収益で最も大きな金額が流れているのは、なんといってもテレビでそれは現在も同じです。
2018年の電通調査によると下記の通りとなります。
日本の広告費(電通調査)(2018)
○総広告費は、持続する緩やかな景気拡大に伴い7年連続のプラス成長。インターネット広告費が5年連続の二桁成長。地上波テレビに迫る規模となり、全体を牽引した。衛星メディアを除くマス4媒体では21業種中5業種が前年を上回った。
億円
対前年比(%)
総広告費 65,300 (102.2) 新聞 4,784 (92.9) 雑誌 1,841 (91.0) ラジオ 1,278 (99.1) テレビメディア 19,123 (98.2) 地上波テレビ 17,848 (98.2) 衛星メディア関連 1,275 (98.1) インターネット 17,589 (116.5) PM 20,685 (99.1) ※PM=プロモーションメディア
どんなにテレビが落ち目だと言われていても、現在一番の広告費が集まる場所はやはりテレビです。
しかしよく見てみると、インターネット広告と地上波テレビの広告収入は僅差となっており、テレビの広告費は徐々に減っています。
10年前20年前と比べてみると、その違いがよく分かります。
これが20年前
日本の広告費(電通調査)(1998)
5兆7,597億円(対前年比96.2%)と,5年ぶりに前年を下回る。テレビ,雑誌,ラジオ,新聞とマスコミ4媒体がいずれも減少。SP広告費も全体的には減少。ニューメディア広告費は4年連続の2ケタの伸び。
億円
対前年比(%)
総広告費 57,711 ( 96.2) 新聞 11,787 ( 93.3) 雑誌 4,258 ( 96.9) ラジオ 2,153 ( 95.8) テレビ 19,505 ( 97.1) SP 19,678 ( 96.7) ニューメディア 216 (110.2) インターネット 114 (190.0)
※注)SP=販促=現在のPM(プロモーションメディア)のことをさします。
そしてこれが10年前
日本の広告費(電通調査)(2008)
○総広告費は景気減退を背景に5年ぶりの減少となる。年前半は堅調に推移したが、年後半は北京オリンピックなどプラス材料はあったものの、世界的な景気悪化で低調。21業種中18業種が前年実績を下回る。衛星メディアとインターネットは好調を維持した。
億円
対前年比(%)
総広告費 66,926 (95.3) 新聞 8,276 (87.5) 雑誌 4,078 (88.9) ラジオ 1,549 (92.7) テレビ 19,092 (95.6) 衛星メディア 676 (112.1) インターネット 6,983 (116.3) PM 26,272 (94.2) ※PM=プロモーションメディア
http://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_nenpyo.html
比べてみると、テレビが徐々にではありますが落ち込んでいっている事がよくわかります。
ただ、テレビ以上に新聞・雑誌の誌面(紙面)広告が大幅に落ち込んでいますね。新聞業界&出版業界が不況と言われて久しいですが、どうして不況なのかこれを見れば一目瞭然ですね。
そして、新聞・雑誌で回っていた広告費がネットに移転しているのも分かります。
ネットに広告費が回ってきてくれるのは、ネットで活動している人にとっては有難いことだと思いますが、それでも一点気になることがあります。
企業の広告費は、広告代理店を経由して、メディアに流れます。
今まで広告費の再終着地点は、テレビ局やラジオ局、それから新聞社や雑誌社でしたから、日本の企業から日本の企業へとドメスティックな流れが主流でした。
しかし、現在のネットの広告費の再終着地点は、YahooやGoogleなどのグローバル企業が主流となっています。
つまりは、広告を通してお金が外資に流出している現状になっていると言えます。
私自身がGoogleを利用させて頂いてこんなことを言うのは、矛盾しているとは思うのですが……これは由々しき問題でもありますね。
だって日本のお金が海外に流れるだけでなく、広告業界の一部が外資に奪われるということになるのですから。とはいえ、日本のシステムが出遅れてしまっている実情があるため、日本に合わせていると、どんどん取り残されていくだけになってしまいます。
非常に大きなジレンマを感じる事態ですが……今日の話はこの辺で終わりにしたいと思います。
また外資に流れてしまう由々しき問題点については、近々「変わる、終わる、始まる」のコーナーで再度取り上げ、深掘りさせて頂こうと思ってます。
ざっとではありますが、今日のお話はこれで終わりです。今日のお話でネットの広告流通が変化していることがお伝えできたのなら幸いです。
ちなみに来週は「広告流通変化でどうなる?電通!」と題してお届けしたいと思います。
それでは来週火曜日の7時にまたお会いしましょう♪
それから「変わる、終わる、始まる」の過去記事が読みたい場合は、TOPの「曜日企画」→「㊋変わる、終わる、始まる」を押して下さい。
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それでは今日も張り切って働きましょう♪