【おしん⑤】どうしても金妻に見える件

今年の四月から再放送が始まった「おしん」

今ようやく全体の3分の1が終わったくらいなのですが、もう見るのも飽きた感じなのですが……朝の日課なのでまだ見てます。

そして、見続けていたことでこの時代劇の違和感の理由がようやく分かってきました。

 

おしんの根底に流れる思想とは何か?

おしんは明治中期~昭和にかけて生きた1人の女性の人生を物語りとして届けているのですが、

色々と明治や大正について書かれた書物を読み込むようになってしまった私は、この作品に違和感を覚え続けてきました。

たとえば、おしんが奉公先から良い縁談を頂いたのに「好きな人がいる」ということで、その縁談を、はっきり言って良識がない態度で破談にした挙げ句、散々お世話になった加賀屋(奉公先)から突如いなくなったりなどを筆頭に、あの時代に生きた女性の考えにはないはずだよなぁと言うことが結構な具合で目白押しです。

ちなみに、昭和の初め頃までは、結婚というのは当人の自由意志では成立しないことが一般的で、初めて会った人とそのまま結婚したというのは、ごくごく普通の話で、また、奉公などで勤めている女性にとっては、奉公先が良家の縁談を持ってきてくれるというのは、幸運中の幸運と呼べるべきものなのに、それをかなぐり捨てて愛に生きる的な流れが、ものすごく違和感で仕方なかったんですよね。

 

まぁ、こんな感じで、時代的な思想をはき違えているとしか思えない脚本が毎度毎度目白押しなのですが、このドラマはある一点において全くぶれないなぁというのにも気がつくようになりました。

 

それは、戦後始まったウーマンリブ(女性解放運動)と男女同権理論です。

大正時代にはなかったはずのこの思想でずっとドラマが展開していくのです。

 

このドラマが大ヒットになった理由は、昭和58年頃の時代がそういう時代だった現われでもあるんだろうなと、私は思うに至りました。

 

女は自由でありたい……その欲求とリンクするもの

でね、おしんを見てると、なんでか分からないけれど、頭の中に「金曜日の妻たちへ……」が頭に浮かぶの。

このドラマも私が小学生の頃にやってた内容だから、内容とか詳しくは分からないんだけれども、小学生の私でも「不倫を扱ってること」、「お母さんたちが自由恋愛したいと思っている欲求がすごい」みたいなことは伝わってきました。

ちなみに金妻は最近で言うと、昼顔みたいなドラマです。

金妻だったり、昼顔だったりの根底にあるフラストレーションがおしんの中にもあるよなぁっていっつも思ってます。

 

ちなみに金妻っていつの時代のドラマだっけと思ってWikiで調べたら、なんと1983年から1985年ということで、丁度おしんがやってた時代とモロかぶりでした。

 

他のNHKの朝ドラの作品とかもそうだけれども、時代劇というのは、その時代を丁寧に描くことではなく、今の時代の価値観に合わせて時代を描くことになってるんだなぁとも思いました。

私、朝ドラの「ごちそうさん」は好きだったのですが、このドラマも時代考証的には無理があるよねって言うことが目白押しでしたものね。

特に幼少期の芽衣子が苺を食べて「甘い!」って喜ぶシーンとか……。

苺が甘くなったのって平成に入ってからだと思うんですよ。

それまで苺って、練乳や甘いミルクで食べないと美味しくなかったはずなのに、大正時代に、何も付けずに苺食べて「甘い!」ってなるかよって思ってました。

また毎週一つの食材を軸にドラマが展開されるのも飽食の時代ならではの発想ですよね。

時代が変わって冷静に見直せるようになると、大好きだった「ごちそうさん」も変な事ばかりだなぁときっと思うはずなのですが……現代の風潮に合わせている時代劇ほど、そこが盲点になるんだなぁと、おしんを見ていて改めて思いました。

 

そこら辺に気をつけて、時代劇やドラマを観なきゃいけないなと思ってます。

 

新刊発売しました☆

ほんの少し見方を変えたら~ようやく本質に戻れる時代の中で~

【縦書き】

【横書き】

紙書籍は現在最終入稿などの手続きをしておりまして、発売は7月11日頃になる予定です。紙書籍が良い方は、少しお待ちくださいね。

書籍情報はこちらから→ほんの少し見方を変えたら~ようやく本質に戻れる時代の中で~

 

 

2 件のコメント

  • ゆりさんこんにちはです。
    御無沙汰しております。お元気そうでなによりです。
    こちらの地域の近所でおいでんバスの中古がやってきて
    運行してるのを見るたびに、ゆりさんの事を思い出します。(多少誇張w)

    さて、私はおしんも金妻も小学校高学年くらいだったと思うんですが、両方とも子ども心ながら違和感というか、嫌悪感を持ってましたね。
    おしんなんて、「何で大人たちがあんなに持ちあげるんだろう。」って思っていながら、ほへーって感じで見ていましたね。
    金妻に出ていた坂東英二さんが、MBSで昼のラジオでちらっとしゃべってましたが
    「ロケの時に泣いた事が何度もある。演じながら『実生活でこんな事あるはずないし、こんな台詞使う訳がない。』ありえない事を演技してしゃべってる自分を考えると情けなくて涙が出てた」
    そうです。
    私はたまにラジオで流れる小林明子さんの恋に落ちて。を聴いてると今でもなんか背中痒くなって薄ら寒くなりますねー

    • こんにちは!それは驚きです。
      最近うちの辺りは名鉄バスが廃線になってしまったので、おいでんバスしかなくなったので、非常に頻度高く利用しております。

      ほぉぉぉぉぉ!!!凄い情報ありがとうございます。
      金妻の違和感に板東さんは泣いたんですね。それくらいの異常さがあるドラマなのに、狂信的に盛り上がっていましたよね。
      同じような狂信的な部分はおしんにもあります。
      ものすごく違和感があるのに、すり込まれていくうちにそういうものなのかなと思ってしまう心が育成されることが一番怖いですね。

      それではこれからも宜しくお願い致します。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA


    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください