時と場合に応じて、煽ってもいないのに驚く程の数字が現われる時がある。
でも、世の中のほとんどは、煽って煽って今まで見たことの無い数字を叩きだそうと躍起になる。
私が生きていたプロモーションという世界は、ある種煽りに煽る世界であり、
一方でマーケティングという世界は、煽らずに見える数字と向き合う世界である。
最終的に私が選んだ数字はどちらか……。
プロモーションという世界は、如何にその商品が消費者にとってメリットがあって、競合他社と比べて素晴らしいものかとかといううんちくを並べることから始まり、
最後には、理由は無いけれど「これって最高!」みたいな空気感を作り出すことに終始するお仕事である。
こういう仕事、若くて社会経験が無い時代は結構楽しんだよな(笑)
自分が時代を作ってますみたいな空気感も味わえて……
何より、自分の扇動によって、人が動いているという恍惚感ってたまらないものだったりします。
でもね……そこはゴールじゃないの(/_;)
その到達点から始まるのは、結構な暗闇。
プロモーション企画でそこそこヒットとか、たまにはホームランとか打っちゃったりすると、それがその人のスタンダードみたいな空気感ももちろん生まれるわけで……
だから、次も当てなきゃ、当てなきゃって、そういうしんどさが確実に生まれる。
特に私がかつて勤めていた会社にプロモーション目的で依頼をしてくる人たちは、必ずヒットを求めてやってくるから、単に広告活動をしましたよ!ということでは、クレームに繋がってしまうんだな(/_;)これが……。
そういう環境も重なって、いつも頭の中は煽ることばっかりが蠢いていました。
最初は楽しかったよ。少なくとも、5年くらいは……。「辛い、辛い」とか言いながらも……結構自分の書いた企画が当たってたので、そこそこ褒められたし、たまには滅茶苦茶褒められたから楽しかったです。
だけれども、会社を辞める頃の私は、企画も全然当てられなくてね(/_;)(企画は当てられなくなったけれど、会社のことは好きでした)
それもあって仕事してるのが辛くて…辛くて……。
っていうか……、企画とかプロモーションとかの仕事って、身になるようで身にならないの。
その事実に自分が気がついていたから、もう足洗いたいなって思い始めていたの。
業界の仕事って、その一瞬は華やかで綺麗なのだけれども、花火みたいなんだ。
光の後は暗闇で、そしてその後に残るものは何もないんだよね……実は。
↓その頃の思いを綴った記事↓
↑好きな記事だからこれは読んでほしい↑
最初は浮れるの、そのキラキラした世界に。
でも、気がつくの。
何も手にしていないって。
ある時気がついたんだ。
プロモーションをした方がいい会社や商品は沢山ある。
その商品やその存在をきちんと知ってもらえれば、それが世のため人のためになることは沢山ある。
そういう世のため人のための存在を知ってもらうために、プロモーションというものはあると思う。
だけれども、どこもかしこもプロモーション合戦となってしまった現代は、どこもかしこも奇をてらったものでなければ、人の注視を得られないという実情もある。
だから、プロモーションをすることによって、その物事が本質から逸れてしまうということも多々起きる。
そして、結論……煽るだけ煽った数字というのは、たき火で団扇を当てた炎と同じで、団扇で扇ぐのをやめた瞬間に、すぐ小さくなるんだ。
プロモーション効果によって一瞬得た数字が基点となって、そこから数字がさらに積み重なるということは少ないんだ。
もちろん、一瞬の情報が基点となってヒット街道まっしぐらになる商品や人物もあるけれど、大概そういうものって、煽ってないの。煽ったのではなく、単にその人のポテンシャルがあっただけ、もしくは時代にマッチしてただけ。情報は、その着火剤だっただけ。
だから、プロモーションというのが常に着火剤であればいいのだけれど、ほとんどのことは団扇を一生懸命仰いでいるだけ。だからすぐ消えちゃう。花火みたいに。
で、花火みたいなものだから、花火が消えたら暗闇になっちゃうから、また花火を見なきゃいけないって言う気持ちにかれるのも、ある種必然なんだ。
仕掛け花火のように、花火をしかけて、そしてまた散って。そしてまた花火を仕掛けて……って……。
これって、ある時から相当空しいんだ。
それでも、この虚しさを知ってるか知らないかは、情報社会の現代を生きてく上で大きいことかも知れないなと思うし、沢山のこういう実体験をしてきたのはありがたいなって、今は思える。
だから、
数字を作る事に躍起になっている人はすぐ分かる。
煽りに煽ってることはすぐに分かる。だって、自分のしてきたことだから。
そして、その煽りに煽った数字の果てにあることも、見える。
それは単に空しい世界であることも、知ってる。
また、時代の風に乗って、勝手に煽られてしまっている人も分かる。
どの時点で物事を間違わなければ、その風は火を揺らし続けてくれる風になるのかも、ぶっちゃけ分かる。
今の世の中は、煽って煽って数字を作って、そして自分が凄い人だという印象操作を重ねようとする人が多い。
特に、スピ系とかキラキラ起業女子系には、一昔前のプロモーションの手法をふんだんに利用して頑張っているなとしか思えない人が多い。
それは一生懸命団扇で扇いで作っている数字で、それは必死で頑張った努力の足跡ではあるけれど、長続きするものではない。
その花火の時間が終わった時、現われるのはただの暗闇だ。
煙の香りに酔いしれる暗闇だ。
その時、もう一度花火を打ち上げる気力が残っていればまた頑張れるかもしれないけれど、いずれその気力は消耗する。
花火は打ち上げてはいけない。
時が来たときに、炎が舞い上がる瞬間を待っていた方が良い。
とはいえ……少なくとも凡人というのは、風になびかない場所にいた方が安全だ。
花火は見るものと割り切って、火の粉が飛んでくる場所にもいない方がいい。
だって、自分が炎になってしまう時には、失うものも多いから。その光景は、ある種火事と似てるから。
だから、それとは別の世界の住人になった方がいい。
刺激的な一瞬に、人は羨ましい気持ちを持ち合わせやすいけれど、刺激は一瞬の出来事。
その後の暗闇は、それを体験しなかった方が良かったと思うくらい、重く苦しかったりする。
だから、花火から大木になりたいって思ったんだ。
大木を目指す生活は、ただただ淡々としてて、本当に刺激がなくてつまらないけれど、どんどん安定性がましていくなとは思う。
結論を改めて言うと……
煽った数字は作らない方がいいよってこと。
ではまたね♪
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いつも向学に繋がる記事をありがとうございます。
私は若かりし頃、自分が「ものごとの中心」であることに快感を覚えていました。
承認欲求が強く、とにかく一発当てて目立ちたかった。
面白い企画だと沢山の人が集まってきました。
当時はそれが自分の人気や自分の企画の素晴らしさだと思っていました。
今、静かに平凡に生きていくことを望んでいますと、当時の自分に集まっていた人たちは、
共感をしていたのではなく、搾取が目的だったんだなぁと感じています。
当時の私が優れていたと言いたいのではなく、有頂天になっている時はまったく自分が
見えなくなっていたことに恥ずかしさを感じます。
自分を維持するために自転車をこぎ続けなければならないということに気がついていなかった…。
だから気がつかないんですね、搾取されていることに。
こぎ続けて、残ったモノは疲弊だけでした。
競争とか、比較とか、そういうものを求める方は世の中には沢山います。
でも私はそう言う世界から離れて、「花火を眺めて楽しむ」側に回って良かったと思っています。
おはようございます。
搾取されていただけではなく、自分も搾取することで、搾取型の世界は成り立つものです。
その視点を失うこと無く、穏やかに生きていきたいものですね。
それではこれからも宜しくお願い致します。