今日の虎ノ門ニュースで教育勅語が話題として取り上げられました。
教育勅語は軍国主義の象徴として、非常に煙たがれる扱いを受け続けていますが、さて皆さんは教育勅語にちゃんと目を通していますか?
教育勅語は、明治天皇から国民へのお言葉です。
そのお言葉が、天皇を中心とした国家を作り上げて軍国主義に走ったという定説によって、戦後一貫して、煙たがれる存在になっています。
まず、私たちが認識するべきは、このお言葉は誰によって葬り去られることになったのか、ということだと思います。
それは、戦勝国であるGHQです。
ざっくり言えば、教育勅語を葬り去ることも、WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム=「戦争についての罪悪感を日本人の心に植えつけるための宣伝計画」)の一つであったと見るべきでしょう。
さて、「教育勅語」という単語を口にするだけで、戦後の日本は「右翼だ!」「軍国主義だ!」と叫ばれ続けていますが、一体どんな事が書かれているかご存じですか?
Wiki先生で現代語訳をお借りしますね。
朕が思うに、我が御祖先の方々が国をお肇めになったことは極めて広遠であり、徳をお立てになったことは極めて深く厚くあらせられ、又、我が臣民はよく忠にはげみよく孝をつくし、国中のすべての者が皆心を一にして代々美風をつくりあげて来た。これは我が国柄の精髄であって、教育の基づくところもまた実にここにある。
汝臣民は、父母に孝行をつくし、兄弟姉妹仲よくし、夫婦互に睦び合い、朋友互に信義を以って交わり、へりくだって気随気儘の振舞いをせず、人々に対して慈愛を及すようにし、学問を修め業務を習って知識才能を養い、善良有為の人物となり、進んで公共の利益を広め世のためになる仕事をおこし、常に皇室典範並びに憲法を始め諸々の法令を尊重遵守し、万一危急の大事が起ったならば、大義に基づいて勇気をふるい一身を捧げて皇室国家の為につくせ。かくして神勅のまにまに天地と共に窮りなき宝祚(あまつひつぎ)の御栄をたすけ奉れ。かようにすることは、ただ朕に対して忠良な臣民であるばかりでなく、それがとりもなおさず、汝らの祖先ののこした美風をはっきりあらわすことになる。
ここに示した道は、実に我が御祖先のおのこしになった御訓であって、皇祖皇宗の子孫たる者及び臣民たる者が共々にしたがい守るべきところである。この道は古今を貫ぬいて永久に間違いがなく、又我が国はもとより外国でとり用いても正しい道である。朕は汝臣民と一緒にこの道を大切に守って、皆この道を体得実践することを切に望む。
教育勅語 より
※朕(ちん)とは、天皇がご自身の事を指すお言葉で、民において「私」という解釈が同義となります。
世の中で論争が起きるほどのことが書いていないことに、驚きを覚えた人も多いのではないのでしょうか。
私は、初めて教育勅語に触れた時に、まずはその文章の短さに本当にびっくりして、「これが教育勅語の全文なのか?」と疑ったくらいです。
現代語訳が原文を端折ったわけではなく、本当にこれだけの長さの文章です。
私が教育勅語をきちんと学び直してみようと思って、手に取った本は憲政史家の倉山満さんが書かれた「逆にしたらよくわかる教育勅語」、略して「逆教育勅語」です。
この本では、軍国主義だと否定され続けている教育勅語を逆手にとって、明治天皇のお言葉を反対の意味として流布したらどうなるかという事をひたすら書いています。
アマゾンの書籍紹介で、お言葉を逆にするとこうなる事が載ってますので、そこだけ引用します。
「逆教育勅語」
1、親に孝養をつくしてはいけません
2、兄弟・姉妹は仲良くしてはいけません
3、夫婦は仲良くしてはいけません
4、友だちを信じて付き合ってはいけません
5、自分の言動を慎んではいけません
6、広く全ての人に愛の手をさしのべてはいけません
7、職業を身につけてはいけません
8、知識を養い才能を伸ばしてはいけません
9、人格の向上に努めてはいけません
10、社会のためになる仕事に励んではいけません
11、法律や規則を守り社会の秩序に従ってはいけません
12、勇気をもって国のため真心を尽くしてはいけません
逆にしたらよくわかる教育勅語 -ほんとうは危険思想なんかじゃなかった
ぱっと見るだけで、恐ろしい世の中になることが想像できるかと思うのですが、よくよく考え直してみると、
教育勅語を否定し、戦後体制に拘る人たちほど、この逆教育勅語の世界に突き進んでいるように思います。
私たちが苦しんでいるのは、戦前まで育んできた貴い祖先の背中を全否定して、逆方向に舵を切ってしまった結果のように思います。
倉山先生の本で、是非、教育勅語を否定した生き方の恐ろしさを学んでみてください。
ちなみに逆教育勅語を軸として世の中を見渡すと、人気のスピリチュアルメソッドが逆教育勅語と符合している点が多くあることに気がつかれると思います。
心屋さんを中心としたスピリチュアルと言う名の自分勝手な行動も、まさに逆教育勅語の賜と言えるべきものだと思います。
彼らにはまった人たちが、人として大切な物を失っているように見えるのはまさに逆教育勅語を実践した結果に思えて仕方ありません。
また、教育勅語に書かれてあるような、人として当たり前な基礎を失っていく人ほど、
言葉も行動も乱暴になり、人のことを思えず、自分だけの為に世界があると考えるような身勝手な行動が目につくようになります。
そして、欲を満たそうとする欲求が治まりきらず、食欲、性欲、金欲に溺れていきます。
それは、もう人ではなく、動物なのだと私は思います。
人は人としてあるべき規範を外れると、動物になってしまうのだと思います。
いや、動物以下の動物になるのだと思います。
だから、私たちには、人としてあるべき規範が必要なのだと思います。
戦前を単に否定するだけでは、どんどん息苦しさを増す日常が増えるだけなので、しっかり戦前とも向き合って、祖先の良い行いや考え方は受け取り、育んでいきたいですね。
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初めてコメントさせていただきます、哲也と申します。どうぞよろしくお願いします。
私もスピリチュアルや自己啓発、引き寄せの法則などにのめり込み、被害を被ってきた過去があります。しかしそれは、私自身の弱さと怠慢が招いたことです。反省しつつもスピ業界や引き寄せ界隈について、否定的見地から理論や意見を述べていらっしゃる方のサイトやブログを意識的に見るようにしておりました。そんな折りにこちらのブログに出会いまして、納得できる記事に目から鱗の思いです。
教育勅語についてですが、至極真っ当で道理にかなった内容だと思いました。正直申しますと、訳のわからぬ本やセミナーなどより、余程心の栄養と生きる活力になると思います。今の時代にこそ必要とされる規範に思えてなりません。写経?とは違いますが、毎日ノートに書き写し、日々の教訓として実践・努力するに値するものと感じています。
スピや情報商材業界などの魑魅魍魎が跋扈する業界人が好みそうな言葉ですが、真理というのは至ってシンプルなものなのかもしれませんね。
今の自分にとって、とても納得できる記事でしたので、思わずコメントさせていただきました。
これからの更新も楽しみにしております。人心が凍てつき荒みつつある時代、親身な装いで近寄ってくるのがおかしな人ばかり、という居たたまれない状況が少しでもマシになりますように。
とりとめのない散文失礼いたしました。
お読みくださりありがとうございます。
戦後の日本人はその種の核となる大事な部分をもぎ取られてしまっていることが沢山あるので、多くの人が混乱しているように思います。
昭和初期に小学生だった方は、みんな教育勅語を暗記していたと言います。日本人に合うお言葉だったのだと思います。
真理は至ってシンプルです。ですが、シンプルだからこそ、知行合一をするのは結構難しいというよりも、とにかく地味で地道な作業の連続が嫌になってくる時があります。
ただ、その地味で地道な作業を続けていくうちに、知行合一が楽にできるようになってくるので、日常生活に矛盾が減り楽になりますよ。
それではこれからも宜しくお願い致します。
終戦を小学二年生で経験した80代の父がおります。
数カ月前に、この教育勅語を黒く塗り潰した経験をふと語りました。教育勅語の覚えている箇所を諳んじながら「あれは何だったのかなあ。」と…あれとは、黒く塗り潰した事です。当時の大人達は黒く塗り潰した教科書を持って帰ってきた子供達に、どういう言葉をかけたんでしょうかね。大人達の方がとまどいの中にいたのでしょうね。
80代になっても、当時のとまどいを覚えている父が少し不憫になりました。
もの凄く切なくなりますね。
幼少期の時に、今まで正しいとそれていたことが一気に正しくないとされていった過程で、多くの人たちが心に歪みを与えらたはずだと思います。
それでも戦後復興してくれた戦後世代の諸先輩方に感謝して、今度は私たちが経済大国の恩恵の上で、歪みを正すようにしていきたいですね。