このあいだ2ちゃんねるを作ったひろゆきさんの言葉
「営業っていう仕事は、ほぼほぼ今の世の中、いらない物を売りつける仕事」
をブログに載せた。
その後最近の流行りの商売を見ていたら……ある共通点に気が付いた。
私たちが幼い頃は、まだ世の中は進化していた。
子供の頃は、携帯電話はなかったし、パソコンだってなかった。
あの頃自分が生きていた時代をアナログだなんて思うことは一度もなかったけれど、今思えばアナログで、そしてアナログからハイテクの進化をしていく過程においては「新しい」ことは購入動機において重要な位置づけを持ち合わせていた。
アナログからハイテクへの進化をしていた時代はかれこれ20年前から10年前だと思う。
そこからここ10年となると、それまでのような大袈裟なハード面進化は見当たらないようになり、あらゆるものが電子化して、レンタルビデオがネット配信に切り替わるようなソフトの変化が増えていく。
私たちの生活は日々生まれ変わっているけれど、消費者の中で「新しい」が動機となり消費行動を起こすケースはそれまでと比べて減ることになっている。
そして、消費者の中に特別欲しいという欲求は創り出しにくくなっていく。
だから
「営業っていう仕事は、ほぼほぼ今の世の中、いらない物を売りつける仕事」
ということに収まっていくことになる。
経済が主体となった環境の中で生きなければならない私たちだから、なんとか自分の生活のために頑張らなきゃって思う人の方が多いだろうと思う。
いらない物でも良いから買ってもらって、経済を回さなくちゃいけないような錯覚の中に生きている人が多いように思う。
そして、この錯覚を作り出している一番の強い動機は「依存」だろうなって、今更気が付いた。
そして今のビジネスは、ビジネスを回転させるために消費者との依存関係を構築するためのビジネスが結構横行しているよなぁって、今更気が付いた。
バブル時代のように派手な生活に浮かれていた時代は昔のこととなり、断捨離が流行り、消費者が依然と比べて特段欲しいと思うような物も少なくなった。
欲しいものはあったとしても、100均の凄まじい進化のおかげで、「100円払えば事足りる」ことも増えてしまった。
こういう環境下だからこそ、お金を回すための手段は「依存」であり「共依存」が増えるんだなと気が付いた。
確かに「自立」をキーワードにした商売は、商売がルーティーンに回転しにくく、さらに商売をする側に商売っ気が低いタイプが多いので、「依存」を主体にビジネスを回す人たちと比べて、大きなお金が動きにくく、その結果影響力も低いように思う。
でも、昔の日本人たちは、そんな商売スタイルがある種普通だった気がする。
昔気質の人たちは、相手にとって不必要だと思うようなものは敢えて売らないかったりしていたから。
でも今の営業は少しでも成績が上がるように、相手にとって不必要であろうと思っていても、なんとか口説いて売りたがるよね。
そして、人々が営業を敬遠するようになったりして、結局悪循環。
だから、気が付けば依存型ビジネスばかりが増えたのかなぁ……なんて。相手が自分に依存してくれれば、物を売るのも簡単になるもんね。
だけど、そんな世の中もそんなに長くは続かない。今、人々の気持ちの中に「依存疲れ」が芽生えているようにも思うんだよね。
「依存疲れ」をした人々が、今「自立」しようと画策し始めたんじゃないかなぁって思ったりしてる。
すると、「依存型ビジネス」は大ピンチだね。
「自立」を主眼に行動する人が増えるようになれば、今までどんなに「依存型」で儲けていた人も、そのビジネスが回らなくなるはずだから。
「自立」がキーワードになる商売は、ビジネスメリットや利益が依存型に比べれば圧倒的に少ないとは思うけれど、「依存」という心の感覚が日に日に消滅していると感じる昨今の世の中において、敢えて依存を作り出すための商売に手を染めることは、沼に自ら入りに行ったと言っても過言ではないと思う。
まぁ、金持ちになりたいという野望は誰もが描くものなのかもしれないけれど、こんな時代に生きていると割り切って、コツコツとビジネスしながら生きていきたいですね。
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